「かわいそうな木村さん」首相襲撃被告に検事が人格否定発言か 取り調べ問題相次ぐ
和歌山市の漁港で令和5年4月、岸田文雄前首相の演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、殺人未遂罪などで起訴された無職、木村隆二被告(25)の取り調べ中に和歌山地検の検事が人格を否定するような発言をしたとして、弁護人が最高検などに抗議していたことが21日分かった。 【写真】爆発物を投げ、その場で取り押さえられた木村隆二被告 弁護人によると、検事は逮捕後の取り調べで、被告が引きこもりの生活をしていたことを指摘し「かわいそうな木村さん」などと発言した。 同年5月中旬、被告から「侮辱するような不適切な言動が複数あった」との申告があった。弁護人は口頭で和歌山地検に抗議するとともに、最高検監察指導部にも苦情を申し入れたという。 起訴状によると、被告は5年4月15日、和歌山市の雑賀崎漁港で、選挙応援に訪れた岸田氏らを殺害する目的で手製の爆発物を演説会場に投げて爆発させ、近くにいた警察官や聴衆の2人に軽傷を負わせたなどとしている。事件の裁判員裁判は来年2月4日から和歌山地裁で開かれる予定。 検察の取り調べを巡っては、令和元年参院選広島選挙区の買収事件を巡り、最高検が昨年12月、取り調べが不適正だったとする調査結果を公表。大阪地検特捜部が逮捕・起訴したものの元不動産会社社長が無罪になった問題でも、関係者を取り調べた検事が特別公務員暴行陵虐罪で刑事裁判にかけられるなど、問題が相次いでいる。