新日本電工、7年間で最大500億円投資。中長期の経営計画策定・成長分野強化
大手合金鉄メーカーの新日本電工は29日、2024年から7年間の中長期経営計画を発表した。7年間で450億~500億円を成長分野に投資。マーケット価格に左右されやすい合金鉄事業のウエイトを相対的に下げ、安定収益基盤を確立する。成長分野への投資では、機能材料、環境など既存事業に加え、新規ビジネスへの参入も目指す。 同社の2023年12月期は、連結経常利益25億円、ROE(株主資本利益率)4%の見込み。一過性要因を除いた実力ベースでは、各57億円、7%の見込みだが、この実績を発射台に収益力の一段の向上を目指す。 経営計画の利益目標では、30年目標の達成につなげるため、27年時点の目標値も掲げた。具体的には、連結経常利益で、27年100億円、30年12月期130億円以上とした。ROEはそれぞれ10%、10%以上。同社は過去に250億円規模の利益を計上したこともあるが、合金鉄の価格変動によって収益のぶれが大きかった。次期中計では、合金鉄以外の事業規模を2倍強に拡大することで、合金鉄事業の比率を相対的に下げ、市場動向に影響を受けにくい体質への転換を目指す。