関空連絡橋破損部分12日から撤去へ 国交省「鉄道は月内にも再開見込み」
台風第21号が近畿地方に直撃し、強風の影響で各地で被害をおよぼしてから11日で1週間が経過した。強風でタンカーが衝突した関西国際空港連絡橋について、12日から損傷した橋げたを撤去する作業に入ることが発表された。また、国土交通省はこの作業が順調に進めば、同連絡橋の鉄道部分は「月内にも再開できる見込み」としている。 【拡大写真付き】関空連絡橋で橋げた撤去工事 本格作業へ準備着々と
クレーンで吊り上げ、14日の撤去完了が目標
同連絡橋の道路部分の管理を行う西日本高速道路(NEXCO 西日本)は11日、損傷した橋げたをクレーンで吊り上げて撤去する作業に着手する予定であることを発表した。
作業順調なら鉄道も月内再開の見込み
同社は8日に撤去工事の作業船が座礁しないよう作業海域の水深や障害物を調査。橋げたの損傷拡大等を避けるため、橋げたを固定する作業を行った後、阪南港に停泊していた作業船に資機材を積み込み、9日も吊金具取付部の舗装等を撤去作業などを行うなど作業準備を進めていた。 今後の作業については「天候による不測の事態が生じなければ、14日に橋桁の撤去が完了することを目標に作業を進める」としている。 また、国土交通省は「この作業が順調に進めば、鉄道桁の据え直し作業にも着手でき、鉄道による空港アクセスについては、先週の時点で『概ね4週間後の運転再開を目指す』としていたものを1週間程度短縮し、月内にも再開できる見込み」としている。
停電は10日午後3時現在で約1万650軒
近畿各地ではまだ停電も続いており、関西電力によると、10日午後3時現在で約1万650軒が停電しているという。内訳は大阪府約500軒、京都府 約3000軒、奈良県約100軒、滋賀県約50軒、和歌山県約7000軒となっている。
また、台風の強風による飛来物で架線が切れ、ショートしたことが原因とみられる火災で駅舎が全焼し閉鎖、駅の通過措置がとられていた南海本線の尾崎駅は11日、営業を再開した。ホームまでの仮のスロープが設置され、乗車できるようになったという。