<安達祐実>芸歴41年 「今でも記憶がよみがえる」子役時代の経験が俳優業の糧に NHK連ドラ初主演に意気込みも
「ヒリヒリするシーンばかりだったので、祐子を演じていて、ずっと苦しくて。何かが起こるたびにさらに苦しくなっていくので、『どれだけ祐子は追い詰められればいいんだろう?』と心配もありました。ただ、物語が進むにつれて、私なりに祐子の行動に納得できる展開になっていくので、ホッとしましたね。ハラハラドキドキしながらも、『こういうことってあるかもな』と共感しながら見てもらえる作品だと思います」
◇ブレークのキッカケとなった「家なき子」への思い
2歳で芸能界入りし、今年で芸歴41年を迎えた安達さん。中学1年生の時に「家なき子」で主人公・相沢すずを演じ、一気にスターダムを駆け上がった。あれから30年がたった今でも、「家なき子」は安達さんにとって特別な作品だという。
「あの作品がなかったら今の私があるかは分かりませんし、本当に大切に思っています。『家なき子』のイメージがあまりにも強すぎて、苦しかった時期もありました。それでも、あの作品が私にとって重要だということに変わりはなかったですし、『家なき子』のおかげで、私の名前を世間の人に知っていただけて感謝しています」
安達さんにとって俳優としての糧になった作品でもあるといい、「役の気持ちを考える時は、今でも『家なき子』の記憶がよみがえってきて、それを元に役と向き合うこともあります。あの時の経験が、今の私を作っているんだろうなと強く感じますね」と笑顔を見せる。
「家なき子」以降もさまざまな役を演じてきた安達さんだが、実はNHKの連ドラで主演を務めるのは、今作の「3000万」が初めて。
「NHKのドラマの主演をやらせていただけるなんて、これが人生最後かもしれないという意気込みで撮影に臨みました。自信を持って皆さんにお薦めできるものが作れたと思います」と喜びと決意を噛みしめる。
「『3000万』は、いろんな方向に物語が展開していくので、最後まで飽きずに見ていただけると思います。サスペンスの中にも、夫婦や家族の絆が描かれていて、人間の美しい部分と汚い部分の両方を見られる作品。『身に覚えがあって心が痛い』みたいな場面もあるかと思いますが、人間の面白さと怖さを味わい、楽しんでいただければ幸いです」