「自公の過半数維持めぐる攻防」 15日公示の衆院選、政治ジャーナリスト青山和弘氏に聞く
衆院選が15日に公示されます。約30年にわたって与野党や省庁など数多くの政治取材をしてきたジャーナリストの青山和弘さんに、衆院選の注目点を聞きました。 Q.まず争点はどんなところでしょうか?(濱田隼アナウンサー) 「まず新しい総理大臣が信任されるかどうか、石破新総理が率いる自民党が信任されるかどうかというのが大きな争点です。政治家や総理大臣の資質だけではなく、政策面も見なければいけません。一方で、野党も本当に任せられるのかどうか見ていかないといけないと思います。今回、たくさんの政党がたくさんの候補者を出す選挙ですので、それぞれの党の特色も見ていく必要があると思います」(青山和弘さん) Q.政治とカネの問題もありました。政治改革についてはどうでしょうか? 「岸田前総理が辞めた理由が政治とカネの問題だったので、最大の争点が政治とカネの問題というのは揺るがないと思います。ただ、政治とカネの問題は政治のそもそもの政策ではなく、政治改革をするために政治をやるというのはおかしな話ですので、安全保障の問題や経済の問題などもしっかり見ていく必要があると思います」
新総理誕生から最短の選挙
Q.15日に衆院選が公示され、27日の日曜日に投開票、12日間の戦いです。スケジュール感について、石破総理の発言のぶれが指摘されることもありました。 「新総理が生まれてから最短の選挙です。石破さんが総裁選で『予算委員会もやって、論戦で国民に材料を示してから(衆院選を)やる』と言っていたことと全く違います。自民党としては、ご祝儀相場、新しい総理が生まれてから1日でも早くやったほうがいい。論戦するとボロが出ちゃいますから、ボロが出ないほうがいいというのが自民党の論理ですが、石破さんが言っていたこととは違う。石破さんにとってはマイナスがあると思います。最近石破さんと話した時、『もうちょっと論戦してもよかったんだけど』とか『選挙を11月にしてもよかったんだけど』と言っていましたが、それなら総理大臣なんだからやればよかったのにと思います。ですが自民党の論理としてなるべく早くやりたいということに押し切られた形です。だからこそ有権者はしっかりと与野党の論戦や政策を見極めて投票しないといけないと思います」 Q.そもそも論戦するとボロが出るんですか? 「一般的に、予算委員会を開くと野党に与党を攻撃する機会を与えますので、与党にとってマイナスがほとんどなんです。新しく閣僚になった人の中には、まだまだ答弁が不安な人がたくさんいて、そういう人たちの答弁の機会がないうちにということも自民党は狙ったところでしょう」 Q.野党に関しては、3年前の前回選挙と違い、一本化することが難しいんじゃないかといわれていますが、スケジュールの影響もありますか? 「野党は今回一本化が極めて難しくなっていて、15日公示ですから無理だと思います。これが1週間や2週間遅くなっても、基本的に無理だったでしょう。半年や1年遅れた場合は一本化の可能性は十分あったと思いますが。今回は野党が独自色を争い合うという選挙になっていますので、この構図は自民党にとってプラスに働く可能性が大きいと思います」