「自公の過半数維持めぐる攻防」 15日公示の衆院選、政治ジャーナリスト青山和弘氏に聞く
「裏金問題」の影響は
Q.自民党のいわゆる裏金問題を巡り、不記載のあった議員は比例代表に重複立候補できないことが決まりました。愛知7区、12区、15区では不記載のあった前職は比例名簿に名前を搭載できないことになります。影響はどうですか? 「今回重複立候補できなかった愛知・三重の議員たちは500万円以下の不記載ですが、立件された人たちは5000万とか4000万で桁が違います。同じように『裏金議員』というレッテルを貼られてしまいますので、選挙戦は非常に厳しいのは間違いないと思います。一方で、重複ができないとなると『何としても、1票でもいいから勝たせてくれ』という、勢いにつなげることもできる。まさにこの議員たちの地力が試される選挙になると思います」
自公の過半数維持は微妙?
Q.解散前の議席数を見てみます。石破総理は自公で過半数を勝敗ラインに設定していますが、この勝敗ラインがポイントでしょうか? 「自公が過半数の233議席を取れるかどうかが最大のポイントです。自公で過半数を割り込むと政権交代の可能性も出てくるわけで、石破総理は退陣を迫られる可能性もあります。今回難しいのは、非公認にした自民党所属議員がいるわけで、この人たちをどうカウントするのか、石破さんはこの人たちをすぐ復党させる可能性が十分ありますので、これを足してなんとか過半数を超えたあたりが攻防になってくる可能性もある、非常に微妙な選挙戦です」 Q.情勢として233議席は微妙なラインなんですか? 「自民党はいま単独で過半数を超えていますが、先週情勢調査をやって、単独過半数は多分割り込むだろう、公明党と合わせても最悪過半数を割り込むかもしれないという数字が出ています。だから急に石破さんは裏金議員の非公認と重複立候補禁止というのを打ち出し、強く出たわけです。それまで石破カラーを封印したと言われて支持率が下がった。そのために裏金問題で挽回を図った。そういう意味で石破政権はダッチロールしたと言えると思います」 「有権者の1票1票で、10月27日以降、政治の風景ががらっと変わるかもしれません。投票に行かなきゃいけないのは間違いないと思います」