2030年には「勝手に光熱費が減る家」ができる!? 管理システム「AiSEG3」がもたらす未来への期待感
パナソニックは、「住んでいるだけで光熱費が削減される家」を目指す
AiSEG3の発表に際して、パナソニックはエネルギートレンドセミナーを開催しました。そのセミナーには、AiSEG3の開発を手掛けた野村仁志さん、芝浦工業大学建築学部長の秋元孝之教授が登壇。AiSEG3の意義や、パナソニックが目指す未来の家の姿について、トークが交わされました。 野村さんによると、AiSEG3のコンセプトは「光熱費削減」と「レジリエンス」。従来機のAiSEG2は、主に東日本大震災を契機にした節電ニーズ、太陽光発電の売電価格低下による自家発電した電力の自家消費率促進ニーズに応えようとしたものでした。新型機ではこれらのニーズに加え、現在の消費者の悩みである光熱費高騰や災害への備えを強化しています。 「AiSEG3は、24万件の家庭の電力消費データを学習しています。このデータをもとに、生活者の行動や天気といった諸条件による消費電力の増減を予測して機器を制御し、再生可能エネルギーの自家消費率をより向上させます」(野村さん) 一方の秋元さんは、光熱費の削減効果だけでなく、災害への備えになるという面で、AiSEG3を高く評価しています。 「最近は、激甚災害が多く発生しています。そういったときにも、不便なく生活できる環境を実現してくれるのが、このAiSEG3ではないかと思っています」(秋元さん) セミナーのなかで特に印象的だったのが、パナソニックがAiSEG3を通して実現したいという未来のくらしについての話です。それは、2030年に「勝手に家が最適化されるくらし」を目指すというもの。その内容は、家のセンサーが住人の動きを感知し、あらゆる機器を自動でコントロールすることで、快適に住んでいるだけで光熱費が削減されるとのこと。そうなれば、毎月の光熱費の明細を見て頭を抱えることもなくなりそうで、いまよりくらしやすい世の中になる期待を感じさせてくれます。 東京都では2025年4月から、住宅新築時の太陽光発電設置が義務化されますが、この流れは全国的に加速することが見込まれます。コストをかけて太陽光発電を導入するのであれば、その効果を最大化したいところ。太陽光発電を設置する際は、ただ屋根に発電パネルを載せるのではなく、「家の頭脳」であるHEMSを一緒に導入してはいかがでしょうか。
畑野壮太