2030年には「勝手に光熱費が減る家」ができる!? 管理システム「AiSEG3」がもたらす未来への期待感
パナソニックは、新たなHEMS(※)「AiSEG3」(アイセグ3)を2025年3月25日から発売すると発表しました。翌日の日射量予測をもとにして、再生可能エネルギーの自家消費を促進する本機は、日々の光熱費、さらにはCO2排出量の削減に寄与します。 ※HEMS…Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略。 家庭で使うエネルギーを節約するための管理システム この記事では、AiSEG3の魅力と、その発表にあわせて開催されたエネルギートレンドセミナーの模様についてお届けします。
日射量予測の活用&EVとの連携強化で、さらなる省エネを実現
AiSEGシリーズは、パナソニックが開発したHEMS。商品名のAiSEGは、人工知能=AIと、スマートエネルギーゲートウェイの略語・SEGを組み合わせた造語です。 HEMSは、太陽光発電システム、蓄電池、エアコンなどの家電、照明、エコキュート、床暖房など、家中のデバイスとつながり、その動作が最適になるよう制御します。「家の頭脳」ともいえるHEMSは、屋根の太陽光パネルで発電した電力の自家消費率を向上させ、高騰する光熱費の削減に寄与。そして、社会全体の課題であるCO2排出量の削減にも貢献します。 今回発表されたAiSEG3は、2012年10月に発売されたAiSEG2の後継機に当たる製品です。従来機からの進化点は大きくわけて2つ。ひとつは、AIを活用して再生可能エネルギーの自家消費率を上げる「AIソーラーチャージPlus」の機能向上、もうひとつは、電気自動車(以下、EV)に蓄えた電力を家庭用に融通するシステム・V2Hとの連携強化です。 AiSEG2が搭載するAIソーラーチャージPlusは、翌日の天気予報をもとに日中の発電量を予想し、それが多いと見込まれる場合、夜間に買電する電力量を抑えるなどの機能を持っています。しかし、太陽光発電の発電量は、厳密には天気ではなく日射量によって左右されるため、天気予報だけでは正確な予測が困難でした。そこでAiSEG3では、気象庁が発表する日射量予測をもとにした機器制御機能を搭載。再生可能エネルギーの自家消費率を向上させることに成功しました。 また、AiSEG3はV2Hとの連携を強化し、EVを大容量蓄電池としても活用します。EVのバッテリーに常時確保しておきたい目標充電容量を指定でき、昼間の自家発電の余剰電力利用や、電力が安い夜間の買電によって、効率的にその容量を維持します。一方、EVのバッテリーに設定した容量以上の電力がある場合には、その余剰分を家庭に向けて放電し、電力会社から買う電力を減らします。 パナソニックのシミュレーションによると、AiSEG3とエコキュート、V2Hを同時に導入した場合、再生可能エネルギーの自家消費率は76%にもなるといいます。このとき、家の電気代とクルマのガソリン代を合計した光熱費の削減額は年間19.3万円。AiSEG3なしで、エコキュートとV2Hのみを導入した場合の光熱費節約効果は18.1万円/年にとどまるそうで、AiSEG3導入時との差額は年間1.2万円です。本機の効果の高さが窺い知れます。