【リニア】静岡・川勝知事が再び「部分開業論」 過去に事実上撤回も…『再燃』のワケ
「いったんとどまって考え直す必要がある」
静岡・川勝平太知事(6日):「いったんとどまって改めて考え直す必要がある」 これについては…。 県の担当者:「今、工事を止めてもう一度考え直すということではなく、環境の変化を踏まえたうえで、それに対応することを考える必要があるのではないか、ということを言ったにすぎない」 あくまで工事を止める意図はないということのようです。
過去にも「部分開業論」唱えたが…沿線知事から反発
今回の一件で重要なキーワードとなる「部分開業」。実は、話題になるのは今回が初めてではありません。さかのぼること去年8月。 静岡・川勝平太知事(去年8月):「とにかく、できるところからやっていくこと以外に建設を促進する方法はないだろう。(神奈川県相模原市の)橋本あたりから、(山梨県)甲府に行き交うことが一種の暫定開業として唯一可能な場所である」 当時、川勝知事は会見の中で神奈川と山梨県の間を先に開業させる「部分開業論」を唱えたのです。ただ、この発言はリニアの沿線知事から強い反発を生みました。
愛知県 大村秀章知事(去年8月):「部分開業で事業として成り立つかというと、それは成り立たない」
神奈川県 黒岩祐治知事(去年9月):「リニアに乗ってみたいと思う人は乗るかもしれないが、そういう遊園地の電車ではない」
またJR東海も知事の“持論”を完全否定。 JR東海 金子慎社長(当時)(去年8月):「そういう(部分開業の)選択肢は全くない」
リニアに試乗後『持論』に変化が
部分開業という持論を展開した3カ月後の去年11月、川勝知事は山梨県内の実験線でリニア新幹線に試乗。 JR東海 金子慎社長(当時):「時速500キロになりました」 川勝知事:「全然、普通に動けますね。たいしたもんだ」
最高時速500キロの世界を体験した川勝知事。この試乗後、“持論”に変化が…。 川勝知事(去年11月 藤枝市) 「(山梨県)都留の実験センターのすぐそばに高さ10mぐらいの変電所があって、それが実は電気を送っている。目下のところ今、変電所は変電センターはこの実験センターに1つしかない。東京~神奈川どころか、甲府(山梨)~神奈川間も変電所ができていないので、それ(部分開業)が出来ないと分かった」 車両に電力を送る変電所の設置に時間がかかることから部分開業はできないとして持論を事実上撤回しました。