“催事のプロ”に密着!バッグ・ジュエリーなど約15万点が並ぶ『質流れ市』開催までの3か月 成功の秘訣は「出展者の話をまずは聞く」 阪神梅田本店
一方、苦戦していたのがジュエリー類です。指輪1つで数百万円はざらにある世界。小田さんの前任者・連藤誠一郎さんは「質流れ市」に20年以上携わってきた大ベテランで、鑑定士の資格も持っていた“宝石の目利きのプロ”でした。知識では前任者に遠く及ばないだけに、焦りは募ります。 (小田匠一郎さん)「女性に比較的人気の傾向は?」 (天六 まるみや 西村壮史さん)「年配の方はゴージャスなものですね。若めの方ですと“重ね付け”が流行っていますね」 小田さんが大切にしているのは、出展者の話に耳を傾けること。これが催事成功の秘訣だといいます。 (小田匠一郎さん)「催しって、ひとつひとつ全然性格も違いますし、関わる方もガラッと変わっていくので、『前やっていた催しがこうだった』というのが通用しない仕事なんです。一緒にやる方のお話をまずは聞くのが自然と身についてきた」
小田さん「通路を広げたい」 質店側「ショーケースの数が減るとつらい」
この日、小田さんは質店の代表者らと会場についての話し合いをしていました。 (質店側に説明する小田さん)「売り場と売り場の間の通路もかなり混み合っていて、なんとか通路を広げることで回遊性を高めたいなと」 会場の通路の幅をこれまでより40cm広げようというのです。通路を少し広げるだけで混雑しても買い物がしやすくなり、結果的に売り上げが増える、これまでの経験からそう確信しています。しかし、通路を広げれば売り場は圧迫されます。出展する店の理解は欠かせませんが… (出展する質店の代表)「微妙に難しいところがあるというか。質屋さんの立場から見ると、ショーケースの数を減らされるとつらい部分もあるので。どっちを立てたらいいかなと」 やはり、簡単に納得とはいきません。
開催まで約1か月。8月上旬、百貨店の特設会場では、出展予定の質店が一般の人から中古品を買い取るイベントが行われていました。オークション形式で各店から値段が提示され、どんどんと買い取られていきます。ブランド物のバッグでは… 【買い取りの様子】 「せーの、15万9000円、14万6000円、13万2000円、13万8000円、14万8000円。ということで15万9000円です」 そこに思わぬ逸品が舞い込んできました。製造数が限られた高級ブランドのオルゴール。マスコットが回転する希少な品です。 (岡崎屋本店 吉田裕哉さん)「好きな方がこういうものを集めたり、コレクションでマニアの方が集めたりするので、(中古)市場には出にくいかなと思いますね」 また、ジュエリーでも… (質ショップコニシ 小西尚典さん)「先ほど買い取らせていただいたこちらは、ホワイトゴールドのTスマイルのダイヤネックレス、ラージサイズ。少ないですね、特にダイヤ入りですし。これは前回お客さんが探していたけど、なかなかない商品だったので」 人気シリーズのダイヤ入りネックレスなど、長く使われる定番アイテムは手放す人が少なく、願ってもない収穫となりました。