【バレー】五輪切符獲得の女子日本 VNL予選ラウンド8勝4敗で終えて得た収穫と見えた課題
バレーボール女子日本代表は、パリ五輪切符を獲得したネーションズリーグ(VNL)予選ラウンド(R)を8勝4敗で終えた。収穫を得たと同時に見えた課題。パリに向け、20日からタイ・バンコクで行われるファイナルRでチーム力をさらに高めていく。 ◇ ◇ ◇ <収穫> ◆石川の進化 絶対エース古賀に次ぐ得点源として飛躍を遂げた。米国戦終了時点で全体8位の173得点。昨年の五輪予選W杯バレーではリリーフサーバーとして起用されることが多かったが、攻守で貢献度を増した。23-24年シーズンはイタリア1部セリエAでプレー。「レベルの高いリーグでプレーできたことはプラスになっている」と技術面、精神面で得た手応えを代表の舞台でも示し、古賀とのダブルエースへのステップアップを印象づけた。 ◆攻撃バリエーション バックアタックやクイックなどの連係プレーが効果的に機能。両翼から打ち分けるバックアタックに加え、セッターの前方から打つ「マッハ」と後方から打つ「ジェット」の2つの高速技を使い分けて相手を翻弄(ほんろう)した。古賀は「オフェンスが多彩になった。(コートの横幅)9メートルを使って攻撃を仕掛ける精度が、少しずつだけど高まってきている」と手応え。身長で勝る相手攻略に不可欠な、攻撃手を増やした。 ◆結束力 代表始動直後には選手からコミュニケーション不足を指摘する声があったが、徐々に解消。山岸や岩崎らベテラン勢の献身的な姿勢や、小島が「チームで戦っている。(主将の)古賀選手におんぶに抱っこは違う」と結束強化に専心するなど、大一番を前に団結を高めた。真鍋監督は「特に女子バレーは主将の仕事が多い。周囲の支えで古賀の負担が少なくなった」と評するまでになった。 <課題> ◆勝負どころのもろさ セット終盤の戦いは、昨季の五輪予選W杯バレーに続き、課題として残った。13日カナダ戦は最終第5Sに11-9から3連続失点で逆転を許し、セットカウント2-0から3連続失セットで逆転負け。16日米国戦は、第3Sで20-24からジュースに持ち込みながらも、あと1本が遠かった。五輪でも終盤の1点が命取りとなり得るだけに、石川も「劣勢の場面で気持ちはすごく大切になる」と引き締めた。 ◆コンビの精度 攻撃バリエーションが増えた一方で、古賀はセッターとの連係に「まだほんの少しタイミングが合っていない」と話す。特に連戦中やセット後半は「疲労から集中力が落ちて精度が落ちてしまっている」と顕著。「日によって調子は変わる。『こういうふうにしていこう』と話し合っていきたい」。苦しい時こそ声をかけ合い、コンビネーションのさらなる強化を図る。