【毎日書評】あえて相手に「マウントを取らせる」のが正解!メリットだらけのマウントフルネス実践術
ご存知のように「マウンティング」とは、相手に対して自身が優位な立場にあることを誇示する意味合いで用いられることば。 たとえばSNS上では、自らの充実した生活をアピールし合う「マウンティング合戦」も盛んです。しかしその結果、マウンティングによって精神を疲弊させる「マウンティング疲れ」を感じる人が増えているのも事実。 そんな状況だからこそ、『人生が整うマウンティング大全』(マウンティングポリス 著、技術評論社)の著者による以下のメッセージが説得力を持つのは当然かもしれません。 自分らしく満ち足りた人生を送るうえで、不毛なマウンティング競争はできる限り回避すべきである。一方で、人間の行動の大半はマウンティング欲求によって支配されており、マウンティングから完全に逃れることはほとんど不可能である。だとしたら、マウンティングを一方的に否定するのではなく、「マウンティングは現代社会を生き抜くうえで必須の教養である」と肯定的に捉え、マウンティング人生を切り拓くためのツールと考えるほうが得策なのではないだろうか。(「はじめに 世界はマウンティングで動く」より)より 自分らしく豊かな人生を送っていきたいのであれば、まずは人間の内部に存在するマウンティング欲求を理解し、それをうまく味方につけることが大切だということ。マウンティング研究家として活用してきた著者の根底には、こうした考え方があるわけです。 そして本書においては、「マウンティング地獄」から脱出して「マウントフルネス」を謳歌するためのノウハウを明かしているのです。 重要なポイントは、「相手に“マウントさせてあげる”ことによって充分な敬意を示せれば、相手は自分に対してポジティブな印象を抱いてくれるようになる」という指摘。好意的な相手に対し、人は攻撃しづらいものだということです。 では、適切なかたちで「マウントさせてあげる」ためにが、具体的にどうすればいいのでしょうか? 著者によれば効果的な方法のひとつは、発言の冒頭に適切な「マウンティング枕詞」を加えること。「共感型」「尊敬型」「謙遜型」と3種あるなかから、ここでは相手の意見やアイデアに同意する態度を示す「共感型」に注目してみたいと思います。