【解説】アマゾンに公正取引委員会が立ち入り検査 問題点は?
日テレNEWS NNN
公正取引委員会がアマゾンジャパンに立ち入り検査に入ったことが関係者への取材でわかりました。 アマゾンジャパンが運営するサイト上では、同じ商品が複数の業者から出品されている場合、おすすめとして、「カートボックス」と呼ばれる場所に一つの商品のみが目立つよう表示されます。関係者によると、アマゾンジャパンは「カートボックス」への掲載を希望する出品者に対し、他の通販サイトより低い販売価格を提示することや、アマゾンの有料の配送サービスや代金回収などを利用するよう要求していた疑いがあるということです。 この問題について、経済部の安藤佐和子解説委員に聞きました。 ──アマゾンジャパンが安い価格をつけた商品を目立つように表示していたということですが、問題点はどこなのでしょうか。 「安い価格」がどうやって実現できたものなのか?ということなんです。関係者はぴしゃり、こう言っています。その安い価格は「アマゾン自身の経営努力によるものではなく、アマゾンは汗をかいていない」と。 つまり、アマゾンは、値段が安くなるように出品者に対して、手数料を値下げする、などの努力をしていない。なのに、出品者に対しては「安くしないと目立つところに掲載されないよ」と「圧力をかけて、不当に引き下げさせていた」疑いがある、ということなんです。 また、配送業務などをアマゾンに委託すれば、その目立つ「おすすめ」のカートボックスに表示されやすくなる、というのもあって、出品業者は、おすすめ表示のために、いろいろと身を削らなければならない仕組みになっているということなんです。 アマゾンに出品している業者に聞いたところ、「本当に殿様商売。だけど、売れ行きが他と全然違うから特に中小企業は頼らざるを得ない」と嘆いていました。 業界をリードする会社として、公正な取引が求められます。