体重1トンの牛を引いて鍛錬・・・闘牛に魅せられた相撲少年がめざす 高校日本一【全力部活】
■挫折も・・・「負けを経験して強く」 ■眞榮里優翔 「今まで小学校の頃から優勝してきて、「負けるんだ」と思って。本当に自分は負けず嫌いだったので全部負けたのが悔しくて」 実は中学1年の時、背骨を折る大けがを負った眞榮里。2022年の日本一の後、疲れなどから再び腰などに痛みや違和感が出始め、思うような相撲が取れなくなった。 ■小濱寿監督 「本人は今日も歯がゆいと思います。100%でぶつかれないというのがあるので、多分去年のインターハイは彼の中でも今までで一番最悪というか。まさか負けると思わない相手に負けたりとか。しかしそれも彼の経験だと思ったので、それを経験しているので精神的に強くなっているところがあると思うので」 思うような稽古ができなくても、眞榮里は人一倍声を出す。 ■眞榮里優翔 「体は全然できなくても心は100でできるので。絶対、けがしているときも、あきらめたら、心が諦めたら終わりだと思っているので。心だけは絶対持っている」 そして5月3日、無差別級の県大会に出場した眞榮里。腰に痛みが残るなか、2回戦に挑んだ。相手は、70キロの体重差がある那覇国際高校の狩俣弥央望(かりまた・みなせ)。眞榮里にとっては、自身の2倍の体重を誇る相手。しかし、万全でない状態の眞榮里は諦めない。足を細かく動かし、土俵を広く使いながら、狩俣の突っ張りをいなし、隙をうかがう。 ■眞榮里優翔 「相手の体力を削って、勝ちたいって思いがありました」 悔し涙に終わった試合、しかし指導する小濱監督はー ■小濱寿監督 「負けを経験して、精神的に強くなっているところがあると思う。そこに肉体が戻ってくれば鬼に金棒じゃないですが、優勝してもおかしくない存在だと思うので」 ■眞榮里優翔 「自分では全然まだまだ。全国優勝できると思うので、全国優勝できるまで頑張ります」 負けた悔しさが自身をさらに強くする。涙を次の勝利につなげるため、眞榮里の夏の奮闘は続くー(取材:下地麗子) 【取材後記】 3日の負けは、眞榮里の主戦場ではない無差別級での出場。100%ではぶつかれない状態の中で果敢に挑んだ眞榮里の悔し涙が印象的でした。県総体では日本一を目指す80キロ級にも出場予定です。高校卒業後は牛のひづめを整える仕事「削蹄師」を目指すため、相撲を引退すると決めています。10年以上続けてきた相撲。最後は負けるわけにはいかないと、奮起を誓っていました。
琉球放送