フィリピンの市民団体、副大統領の弾劾を下院に請求 混乱続く
フィリピンの市民団体などは2日、サラ副大統領の弾劾を下院に請求した。今後、下院司法委員会が弾劾裁判の実施を判断する。フィリピンではマルコス大統領とサラ氏の対立が激化しており、混乱が続いている。 市民団体などは、サラ氏が2022年に受け取った1億2500万ペソ(約3億2000万円)の副大統領府機密費などの使い道について説明責任を果たしていないと指摘。公職者は国民に対する説明責任があるとする憲法などに違反するとし、「国民の信頼を裏切った」と説明している。 サラ氏はドゥテルテ前大統領の長女。国内では、サラ氏の機密費の不正使用疑惑だけでなく、ドゥテルテ氏が在職中(16~22年)に進めた麻薬撲滅作戦に関する調査が続くなど、ドゥテルテ家とマルコス氏の対立が深刻になっている。 サラ氏は11月下旬、マルコス氏夫妻に対し「殺し屋を雇った」などと発言。マルコス氏との関係が「元に戻れないところまできた」と述べた。ただマルコス氏は11月29日、弾劾裁判は「時間を取るだけで誰のためにもならない」との考えを示し、サラ氏との関係についても「諦めない」と和解を目指す可能性も示唆している。【バンコク石山絵歩】