食べるべきは和食ではなく洋食系 京都のイタリアンが美味しいのはなぜ
京都は何といっても日本料理が美味しいというイメージがありますが、私は少し違う意見を持っています。確かに京都でも一流の料亭に行けば見事なお料理が出てきますし、街中のおばんざいやでもおいしいものはたくさんあります。ただ、京都だけが抜きんでて日本料理が美味しいかというと必ずしもそうではなく、むしろ東京や大阪、そしてほかの地方でももっと安くておいしい日本料理のお店はたくさんあります。
京都の人は新しい物好き?
一般の人が京都に持っているイメージとは少し違うかもしれませんが、私は京都でおいしいものは何といってもパン、肉、そして料理のジャンルで言えば、洋食屋さんとイタリアンだと思います。 ちなみに総務省の家計調査によれば、さまざまな食品についてその消費量において京都が全国1位になっているものは、ビール、牛肉、パン、バターなどで、牛乳は全国2位です。さらに面白いことに、緑茶は全国25位ですから平均よりも少し下です。つまり京都の人は日常的な食事においてはビールを飲んで牛肉を食べ、牛乳を飲んでパンを食べているということになります。<※家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市、※ランキング2013年~15年平均> いかがですか? かなり京都のイメージとは違うと感じる人も多いのではないでしょうか。実際、京都にはパンのおいしい名店がいくつもあります。ある店などは私の知り合いのフランス人がパリに帰るときには必ずそのお店のバゲットを買って帰るといいますから、まさに本場の人も太鼓判を押しているのです。 そもそも京都は古都ではありますが、そこに住む人たちはとても新しいものが好きで、進取の気性に富む人も多いのです。明治以降、京都で始まったものや外国から取り入れたもので日本初というのが京都にはたくさんあります。みなさんよくご存じの路面電車(チンチン電車)や水力発電、そして映画などもその例です。当然食べ物だって、伝統的な日本料理だけではなく、新しい手法の料理をどんどん取り入れて発展してきたと考えていいでしょう。