日野聡、キャリアを積む中で“演技の幅”に変化 守るべき存在ができ「より共感できるようになった気がします」
■先輩・浪川大輔が演じる勇者は“ギャップ”が魅力
――さまざまなキャラクターが登場する本作。中でも日野さんが注目して欲しいキャラクターを教えてください。 日野:濃さで言うと、マルキュスですね。原作から印象的なキャラクターでしたが、アニメでは演じる松風雅也さんがものすごくマルキュスの魅力を引き出しているので、非常にインパクトが大きいキャラクターだと思います。 ――はやくお芝居を聞いてみたくなりました。 日野:どのキャラクターもバッチリですよ。500年前にベルトールを倒した勇者のグラムも私が尊敬する先輩・浪川大輔さんが演じてくださっていて。勇者としての格好よさと、現代でも生き続け心が疲弊しきった姿のバランスが絶妙で、きっと見ている皆さんも、そのギャップに「格好いい!」と惹(ひ)き込まれると思いますよ。あとは、高橋(菱川花菜)が個人的には好きです。彼女はいい距離感で壁を突き破ってくれるんですよね。ポジティブ要素が強い子なので、「ああいう風になれたらいろいろな人に元気を与えられるんだろうな」と思えるキャラクターです。 ――原作のPV収録でもご一緒だったマキナ役の伊藤さんの印象はいかがですか? 日野:マキナはベルトールを一心に支えてくれるキャラクターなのですが、伊藤美来さん本人も現場で僕のことをいろいろとサポートしてくださって。後ろでちゃんと現場を守ってくれる人がいるおかげで私も心強く、集中してベルトールとしてのお芝居ができました。 ――ベルトールは2099年の世界に再臨し、動画配信者となって活躍します。日野さんは、いまから70数年後、2099年の未来に飛ばされたとしたら、どんなことをやりたいですか? 日野:正直、2099年の未来に飛びたくはないですね(笑)。どういう世界になっているのか見てみたいなとは思いますが…。僕はアナログ人間なので、行ったところで生きていける自信がないです。街の端っこのほうでプルプル震えながら、「どうやって生きていけばいいんだ…」っておびえてそう(笑)。 ――例えば未来の世界でも、声優の仕事ができるならやりたいですか? 日野:どうでしょうね? それが生きる術になるならば、一筋の光が見えるかもしれないです! ――最後に作品の見どころを含めたメッセージをお願いします。 日野:非常にエンタメ性にあふれた作品で、楽しんだり、ドキドキしたり、切なくなったりと、ジェットコースターのように見ている方の心も激しく動くと思います。昨今は時の流れが早く進んでいるなと感じているのですが、それによって環境の変化も大きくなっていると思うんです。本作には、変化に順応して、何かを見つけていくというテーマも込められていると個人的には感じているので、エンタメとして楽しんでいただきつつも、変化から得るプラスを、本作を通じて見つけていただければうれしいですね。 (取材・文:M.TOKU 写真:小川遼) テレビアニメ『魔王2099』は、10月12日よりTOKYO MXほかにて毎週土曜24時00分から放送。