ヘッジファンドのダイモン、香港でオフィス拡張-縮小の波に逆行
(ブルームバーグ): ヘッジファンド運営会社のダイモン・アジア・キャピタルは、香港の主要なビジネス街がある中環(セントラル)でオフィスを拡張している。現地で高級オフィスの空室率が過去最高を記録し、賃貸料の下落傾向が続く中で、香港勤務を希望する社員のニーズに対応する。
ダイモンがリース契約を結んだのは、香港ランド・ホールディングスが所有する複合商業施設「ランドマーク」にあるエジンバラタワー内のオフィスで、面積は7000平方フィート(650平方メートル)。シンガポール在勤のケネス・カン副最高経営責任者(CEO)が明らかにした。新オフィスの収容能力は70人余りと、ネクサスビルにある現在のオフィスから倍増するという。
カン氏は、「香港での勤務を選択する人材が増加しているため、より広いオフィスの必要性が生じ、今年に入って適切なスペースを探すことになった」と説明。「ダイモン・アジアにとって香港は依然として主要な市場であり、われわれはここでチームの育成を続けていく」と話した。
ダイモンは2016年からネクサスビルにオフィスを構え、香港在勤の社員は30人余り。23年初め以降に採用した15人近いポートフォリオマネジャーのうち40%が、シンガポールや東京、ムンバイ、上海を含む他の都市で働く選択肢をオファーされたにもかかわらず香港を選択したという。
25億ドル規模の同社マルチ戦略ヘッジファンドはことし1-5月のリターンが10%になる見込み。
CBREグループのリポートによると、香港でA類に分類される高級オフィスの空室率は3月末時点で過去最高の16.7%に達した。また、賃貸料は20四半期連続で下落している。
中環の最大の商業不動産オーナーである香港ランドの株価は4日のシンガポール株式市場で一時3.6%上昇。日中ベースとしては2週間ぶりの大幅高となっている。
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原題:Hedge Fund Dymon Expands Hong Kong Office, Bucking Trend (1)(抜粋)
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