柄本時生、同じ役を演じた父・柄本明から授かった言葉とは? 「鬼平犯科帳アフタートーク『でくの十蔵』編」現場レポ
■松本幸四郎、柄本時生らが集結した「鬼平犯科帳」SPトーク番組! 松本幸四郎主演「鬼平犯科帳」SEASON1より、第三弾「でくの十蔵」本編後にスペシャルトーク番組「鬼平犯科帳アフタートーク『でくの十蔵』編」が、6月8日(土)・9日(日)ほかに時代劇専門チャンネルにて放送される。 【写真】「鬼平犯科帳 でくの十蔵」おふじ(藤野涼子)を抱き抱える十蔵(柄本時生)。 『鬼平犯科帳』は、1968年、文芸誌「オール讀物」で連載が開始された、池波正太郎三大シリーズ(『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』)の代表作で、累計発行部数3000万部を超えるベストセラー時代小説。1969年に初代・松本白鸚主演で映像化され、以来4度映像化されたテレビ時代劇。 そんな歴史ある「鬼平犯科帳」が今年、幸四郎主演で新たに幕開けした。第一弾のテレビスペシャル「本所・桜屋敷」、第二弾にして初の劇場版「血闘」に続く、連続シリーズ「でくの十蔵」は、幸四郎演じる“鬼平”(長谷川平蔵)の配下である同心・小野十蔵にスポットがあてられる。火付盗賊改方同心・小野十蔵が、とある女との出会いから情と使命の間で揺れ動く様を描く。 このたび「でくの十蔵」の独占初放送を記念して、本編後に幸四郎に加え、鬼平配下の与力・同心を演じたキャストが語り合うスペシャルトーク番組も放送されることが決定した。その収録現場にお邪魔させてもらい、一足早く裏話を聞いた筆者が、その見どころを3つのポイントに分けて紹介したい。 ■火付盗賊改方のキャストが勢揃い! 撮影秘話を語り尽くす まずなんと言っても豪華メンバーが勢揃いしているため、その画だけでも見応えがある。今回アフタートークを繰り広げるのは、火付盗賊改方のキャストである松本幸四郎、本宮泰風、浅利陽介、山田純大、久保田悠来、柄本時生の6名。 幸四郎と本宮がMC的な立ち位置でトークを回しつつ、マイペースな幸四郎に思わずクスッとしてしまう一方で、本宮の進行の上手さと小気味良い合いの手に舌を巻く。浅利がトークを盛り上げ、山田がツッコミを入れ、久保田がボソッとスパイスを。そして今回「でくの十蔵」編の軸となっている時生が撮影秘話を告白していく。実にバランスが良い。 冒頭から「でくの十蔵」の感想を聞かれた浅利が早速ボケる。「悪い人たちにもそうなった背景があるので、それを白黒はっきり付けて捌けばいいのかっていうとそういう訳でもなくて。そこに許すだとか恩赦だとかがあって…そういう余白の部分が…」とツラツラ語る浅利に、すかさず山田が「ちょっと待って! それ、俺がいつも言ってるやつじゃん!!」とツッコミを入れ、一気に現場が笑いで包まれた。 そんな終始笑いで溢れるトークの中には、時生が捕縛しにいくシーンで縄にかなり手こずり本番はいけるのか心配だったという裏話から幸四郎が自ら制作したアクリルスタンドが日に日に撮影所のロビーのカウンターの上に増えていくといった珍エピソードまで…多種多様な撮影秘話がさく裂する。たとえ「鬼平犯科帳」のファンでなくても、十分に楽しめる、時に真面目に時にゆるっとした秘蔵エピソードは必聴だ。 ■十蔵役・柄本時生、同じ役を演じたことのある父・柄本明から授かった言葉とは? 「でくの十蔵」の物語のカギを握る小野十蔵に扮するのは、テレビスペシャル「本所・桜屋敷」、劇場版「血闘」に引き続き時生。実は、父・明もまた中村吉右衛門主演作品で同じ十蔵役を演じている。そんな明から撮影前に「十蔵は難しいぞ」という言葉が何度もあったと明かす時生。 サプライズで明からの手紙も届き…その衝撃の内容に時生がどんな表情をするのかにも注目だ。 ■緊張感溢れる本編とはひと味違った仲の良さにほっこり! 張り詰めた空気の本編とはひと味違ったリラックスした仲良しムードのなか、撮影時の思い出やお互いの素顔についても語り尽くす。 幸四郎が学校終わりに熱中したというひとり野球のエピソードをはじめ、撮影現場でひとりでボケてツッコむ久保田の姿や本宮は実は“スイーツ男子”という暴露も。 とにかく笑いと驚きが詰まっているので、いちトーク番組としても充分に楽しめる。なんとも言えないほっこり感が残り、心が温まるはずだ。そして見終わったあとには、「でくの十蔵」をもう一度見たくなること間違いなし。きっとまた違う角度から物語を楽しめることだろう。 なお、時代劇専門チャンネルでは「鬼平犯科帳」SEASON1の第一弾・テレビスペシャル「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」が6月8日(土)午後5時より放送される。そして「鬼平犯科帳」SEASON1のラストを飾る第四弾「血頭の丹兵衛」が7月6日(土)よる7:00/7月7日(日)ひる1:00ほかで独占初放送される。ぜひこの機会に松本幸四郎主演「鬼平犯科帳」沼に、どっぷりとハマってみてはいかがだろうか? きっと底が見えないほど深く魅力的なはずだ。 取材・文=戸塚安友奈