「ボットン便所を、簡易水洗にしたい」→業者「これ、貴重かも!」 100年以上前のものだった…その価値は?
100年以上前の便器、名前も判明!
ーーこのトイレはいつ頃のものか、判別可能ですか? 「写真を見る限り、『染付花鳥図(牡丹に雀)角形大便器』だと思います。生産時代は明治時代後期~昭和時代前期で、愛知・瀬戸で作られていた陶器製便器です」 ーーこのタイプのトイレは一般的に普及していたものですか? 「当館には多数収蔵されていることから、この絵柄は大量生産品で(出始めの物ではなく)、 普及していたものと考えられます」 ーー量産品とはいえ、美しいですね 「同じ絵柄で、形の異なる大小便器も作られていたんです。ちなみに、便器については当館公式WEBサイトでも昔のトイレについて解説し、一部のコレクションをデータベース上で公開しています。INAXミュージアムブックより『染付古便器の粋──清らかさの考察』という本も出版されておりますので、こちらをご覧いただくとさらに詳しいことがわかるかと」 投稿された便器は、この家の築年数が130年以上ということですから、1890年代半ばの品と考えられそうです。 INAXが愛知・常滑で運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設『INAXライブミュージアム』の中に、日本のトイレ文化を発信する展示館『トイレの文化館』が新たに登場。2025年4月17日(木)から一般公開の予定なんだそう。 「木製便器の時代から、今回Xへの投稿で注目された華やかな装飾の陶磁器製便器、やがて水洗化を経て和魂洋才の技術的な発展と空間としての充実を遂げた現代のトイレに至る歩みを、約50点の実物展示と豊富な資料展示でたどることができる内容になる予定です」とのこと。『INAXライブミュージアム』はさまざまなワークショップも開催しているので、そちらと一緒に楽しむのもおすすめです。 そして気になる便器の行方を、ザコ設備さんに伺うと「あの後、ご家族を交えてお話をさせてもらい、とにかく貴重な物という説明の後に工事金額自体もかなり高額になるという説明をさせてもらいまして、現在は一旦保留という形で収まっております」とのこと。 ウンを天に任せて、何か良い解決策が見つかるといいですね。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・東寺 月子)
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