アメリカ大統領選挙「カマラ・ハリスの失速」緊迫する中東情勢政策が選挙の終盤情勢に影響か?
◆消極的な理由で投票先を選んではいけない
ここにきて、Z世代の若者たちが再び注目しているのが、中東情勢です。パレスチナを含む中東情勢は悪化の一途を辿っている今、くすぶり続けていたこの問題が再び大きくなる可能性もあります。 ヒカル:みなさんは「Uncommitted National Movement」、どちらの政党も支持しない国民運動を知っているよね? 基本的には、民主党がイスラエルを支持し、大量虐殺をさらに推し進めようとしていることに怒りを感じ、それだけが理由で、カマラには絶対投票しないという運動なんだ。だけど、彼らにとってトランプはまったく選択肢にはない。 だから、民主党の予備選で彼らは「誰も支持しない」と書いて投票した。あれから彼らの意見は少しも変わらず、次の4年間を犠牲にしてでも民主党への怒りを示そうとしている。こういう人たちが激戦州であるジョージア、ノースカロライナ、ミシガン、ワイオミングには少なからずいる。激戦州で負ければカマラは勝てない。そうすると再びトランプの4年間になるね。 メアリー:アーティストのチャペル・ローンも「どっちの側もひどい」と言っていたよ。私たちの声や意見が反映されていない感じがするよね。最悪の事態を避けようとしているだけで、望んでいる最良の結果を追求しているわけではない。本当に全体的にがっかりだけど、どうすればいいかも分からない。 イスラエルのガザ虐殺を許しているバイデン政権に対し、怒りを感じている民主党支持者は、パレスチナなどアラブ系アメリカ人やイスラム教徒を中心に広範囲に広がっています。その影響から、ハリス氏には決して投票しないという人は少なからずいます。一方で、トランプ氏が大統領に選ばれると、今よりもさらにパレスチナが悲惨な状況になってしまうのではないかというおそれから、ハリスに投票する動きも出ています。 また、大学の抗議運動でも、親パレスチナ派と親イスラエル派が敵対するのではなく、戦争を止めようとしない権力という共通の敵に立ち向かうために共闘する動きもあります。こうした動きが票にどう繋がってくるのかも注目です。 アメリカのポップスターであるチャペル・ローンは、ハリスを推薦しなかったことで強い批判を浴びました。メアリーの発言は、チャペル・ローンがトランプ氏とハリス氏に対し「双方に問題がある」と表明したことを指しています。 この発言について、チャペル・ローンは「大量虐殺的な意見を支持することはできない」としたうえで、ファンに対しては「自分の考えで最良の選択肢を持って投票するように。そして現状に妥協しないように」と訴えました。「強い影響力があるアーティストが言ったから民主党を支持すべきというのではなく、自分の意志で投票するように呼びかけるチャペル・ローンに、若いZ世代は深く共感しています」とシェリーは述べ、話題を締めくくりました。 (interfm「NY Future Lab」2024年10月16日(水)放送より)