【連載コラム】「聖地ヨセミテ」に魅せられて! vol.08 紅葉や温泉が満喫できる北米の四季について
ストロベリーのキャビンのすぐそばにあるパインクレスト湖にはアウトドアシアターがあり、ちょうどウォーレン・ミラーのドキュメンタリー映画が来ていたので、覗いてきました。ウォーレン・ミラーは、スキー映画の先駆者で、毎年スノーシーズン前に、スキー関連のドキュメンタリー映画を各地のスキーリゾートや街の映画館で上映しています。湖畔にあるアウトドアシアターの夜は少し冷え込みましたが、たくさんの雪山好きが来ていました。 【写真】知ってるようで知らなかった北米の紅葉&温泉を見る(全15枚)
北米でも紅葉を愛でることができる
さて、夏が終わり、木々が色づく季節になりました。秋は紅葉狩りに出かける方も多いかと思います。 四季がなさそうに思われるアメリカですが、場所によって雰囲気は違えど春夏秋冬があり、紅葉を楽しむこともできます。 東海岸の方ではカラフルな紅葉が見られますが、シエラネバダで紅葉する木は、主にアスペンやポプラです。赤やオレンジの華やかさはありませんが、黄色の葉がひらひらキラキラして、これはこれでよいものです。
紅葉ついでに立ち寄り温泉も満喫
紅葉は、森林限界に近い標高2800mほどのところから始まります。日本のように山全体が紅葉することはなく、人気のスポットは、東シエラの川や湖沿いに偏在しており、紅葉マップやネットで見頃情報が紹介されているので散策しやすいと思います。私はよくバイクでツーリングを兼ねて紅葉を見に行きます。 東シエラには、小さな温泉があちこちで湧いており、紅葉巡りついでに立ち寄ることができます。 温泉と言っても、日本のようにきれいに整備された温泉ではなく、荒野に湧く野天風呂です。未舗装路を入ったところにあったり、崖を下りないといけなかったり、アクセスはあまりよくありませんが、野趣あふれる雰囲気の中で入浴できます。紅葉の季節は肌寒いので、夏よりもお湯を気持ちよく楽しめるのと、オフシーズンになるので人が少ないというメリットがあります。
シエラの雄大な自然のなかで露天風呂につかる
野天風呂で行きやすいところでは、トラバーチン温泉があります。無料でいつでも入れる温泉で、最近少し整備されてきれいになりました。いくつも露天風呂があるので、温度や場所で選べます。シエラの壮大な山の景色を眺めながらお湯につかるという贅沢ができます。 野天風呂の他に、数少ない商業化された温泉として、ベントンホットスプリングスという宿&キャンプ場があります。ここのキャンプ場は、各サイトに一つずつ温泉プールが作られていて、ホースから出るお湯を自分で入れるシステムです。フレッシュなお湯に入れるのは衛生的で気持ちよく、露天プールは独占できますし、サイトも広くてプライバシーも確保されているので快適です。 このキャンプ場の周りには店も家も何もなく、蛇口からは温泉湯しか出ないので、水や食料等、必要物資は全て持参する必要があります。 秋のシエラは気温は下がりますが、まだまだキャンプもハイキングもできますし、何より人が少ないので、静かに大自然を満喫するには最高ではないかと思います。山が雪で完全に閉ざされるまであと少し。次回は山の冬の準備についてお話ししようと思います。
井上ゆず