ロンドンのバンカー、ニューヨーク型の高額ボーナスに近づく
(ブルームバーグ): ロンドンのトップバンカーたちが、ニューヨークの同業者のような高額ボーナスを受け取る日も近いかもしれない。
英当局がバンカーのボーナスを基本給の2倍までに制限していた上限を撤廃してから半年が経過した。現在、国内最大手の金融機関の多くが、優秀な投資銀行バンカーやトレーダーの報酬体系を見直せるよう、内規を書き換える許可を株主に求めている。
HSBCホールディングスとバークレイズが数週間以内に開催する年次株主総会では、この問題に関する議案が討議される予定だ。委任状アドバイザー大手のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシズ(ISS)とグラス・ルイスは投資家に対して両行の提案を承認するよう推奨しており、議案は可決される可能性が高いとみられる。
可決されれば、ロンドンの金融業界の経営陣は、トレーダーや投資銀行バンカーのボーナスを見直すプロセスに入ることができる。ニューヨークなどでは、これらのボーナスは数百万ドルに上り、年間基本給の何倍にもなる。ウォール街の人々は、エリート私立学校、豪華な別荘、プライベートクラブの費用を賄うために、支給の数カ月前からボーナスについて胸算用をする。
英国のボーナス上限廃止で影響を受けるのは、同国の銀行だけではない。JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス・グループなどの米銀も、ロンドン在勤者の報酬方針を見直そうとしている。
法律事務所フィールドフィッシャーズで雇用、年金、移民、コンプライアンス(企業統治)関連業務を率いるランジット・ディンドサ氏は、「次の賃金交渉で人々は手厚い報酬アップを期待するだろう。市場は再び流動化し、人々は転職に自信を持っている」と話した。
バークレイズは2023年分のボーナス上限を維持したが、報酬委員会が適切と判断した場合、将来的に上限を変更できるよう株主の許可を求めている。
HSBCは重要なリスクテイカーのボーナス上限を撤廃し、報酬委員会が適切と考える新たな上限の設定を提案している。