<映画評>結末は予想外のものに…『8月の家族たち』
メリル・ストリープとジュリア・ロバーツの二大女優が共演しただけでなく、ユアン・マクレガーが出演していたり、ジョージ・クルーニーが製作を務めていたりと、ハリウッドの““才能”が集結した作品。米・オクラハマの田舎町を舞台に、蒸し暑い真夏の数日間を描いている。父親の失踪をきっかけに、家族が実家に集まることで、ストーリーが展開していく。 メリル・ストリープが扮する口の悪い母親・バイオレットは、とことんまで口が悪い。家族をつぎつぎに“口撃”する。たまりかねたジュリア・ロバーツ扮するバーバラも反撃する。一方で、子育てをめぐって、バーバラと夫のビル(ユアン・マクレガー)も激しい口論を繰り広げる。あちこちで火花が散る。ブラックコメディとしての、要素がさまざまなところにちりばめられ、なかなかな見応えだ。薄暗い家の中で展開される口論、それを演じる名優たちの圧巻の演技は、本作品の魅力だろう。 登場人物は、失踪した父とその妻・バイオレットを軸に、その娘たちやそれぞれの夫、恋人など、ほぼ、“家族”の範囲で起こった事件を描いている。それだけに生々しい。観察力の鋭いバイオレットは、長年に渡って起こっていた家族の中での事件のすべてを見通している。最後は、思いがけない結末が待っている。口論が多いだけに、台詞もとにかく多い。しかし、その至る所に、終盤の展開につながるヒントが隠されている。 公開情報:4月18日(金)TOHO シネマズ シャンテ ほか 全国ロードショー (c) 2013 AUGUST OC FILMS, INC. All Rights Reserved. 公式サイトURL: 配給:アスミック・エース ■予告編