現場主義と売れるクルマを嗅ぎつける野生の勘ピュータ!!! スズキのカリスマ経営者鈴木修さんが残した心に響く[修語録]とは
■名語録11/安くするため軽くする=燃費もよくなる、これがスズキのクルマ作りの原点
「安くするために軽くするという考え方は、スズキのクルマ作りの原点です。車体が1割軽くなると、コストも1割安くなる。そして、車体が軽くなった分、燃費もよくなる。これはいまでも生きています」 スズキのクルマを見て驚かされるのは、軽量化技術がライバルとケタ違いにすごいことである。最近はどのメーカーも軽量化に力を入れているが、スズキのクルマは高い安全性を確保しながら驚異的に軽いこと。これは簡単そうに見えて難しい。鈴木修さんが口を酸っぱくして言い続けているからだろう。 軽自動車も登録車も驚くほど軽量設計だ。基本が軽ければ、安全装備などを加えても走りはいいし、燃費だってよくなる。 スズキが軽量化にこだわる姿勢を改めて打ち出したのは、スズキが2024年7月に開催した「技術戦略説明会」だった。その説明会において、スズキは現行の9代目アルトに対し、次期型(10代目)は100軽量化するという目標値を発表したのだ。どのようなモデルが出るのか、期待して待ちたい。
■名語録12/雪だるまは最初の雪玉が肝心だという名言
「子供の頃、雪だるまを作るとき、最初の根になる雪玉を母にしっかりとつくってもらったことがあります。その雪玉を転がして雪だるまをつくるのですが、雪玉がダメだと上手にできません。 逆に雪玉がちゃんとしていれば、雪だるまが解けても、根となる雪玉は解けずに残っている。創業者の偉大さはここにある気がします。2代目、3代目、4代目は、休まずコツコツと雪玉を転がしていけば、企業は発展していくものです」 これはスズキが今後も生き残っていくための家訓と言えるものだろう。何百年と永らえ、今も名声を放ち続けている老舗の後継者は、これと同じことを聞かされて育ったはず。 創業者の偉大さと苦労を忘れてしまうと、会社は長続きしない。これは昔も今も変わらない経営の鉄則だろう。含蓄がある。 鈴木修さんは2021年2月24日のオンラインによる引退会見の最後、「私は仕事が生きがいだった。みなさんも仕事を続けてください。ありがとう。バイバイ」と手を振った。いかにも鈴木修さんらしい最後の一言であった。 鈴木修さんの名語録集、心に残るものを抜粋して選んでみましたが、みなさまいかがでしたでしょうか? 発表会などでお会いする時はいつもニコニコ人懐っこい表情で、我々ジャーナリストにも気さくで、鋭い分析能力でハッキリものをいう"修語録"に感心しておりました。 スズキを3兆円企業に育てた鈴木修さん。御歳94歳、本当にお疲れさまでした。そしてありがとうございました。