球児の素顔を作品に 東播磨放送部がドキュメント 選抜高校野球
21世紀枠で初出場した東播磨(兵庫)の放送部は、高校野球をテーマにしたラジオドキュメンタリー作品を制作し、NHK杯全国高校放送コンテストで優勝した実績がある。明豊(大分)と対戦した22日も、カメラや録音機を携えアルプススタンドを取材に駆け回った。今回のセンバツ出場を、ラジオと動画のドキュメンタリー作品に仕上げ、今年の放送コンテストでも優勝を狙う。 放送部は2019年の放送コンテストで、福村順一監督と当時選手だった長男を題材にした作品で優勝した。それ以前も、何度か全国優勝を飾った実力派だ。夏の甲子園では部員が開会式のアナウンスを務めたこともある。オリジナル作品「アルプススタンドのはしの方」が映画化された演劇部と並び、21世紀枠の推薦理由の一つとなった。 東播磨が20年10月、秋季近畿大会に出発する場面から取材を始めた。21世紀枠の兵庫県推薦校表彰や普段の練習時に、部員や監督らへのインタビュー取材を重ねてきた。ラジオ作品を担当する山本彩愛(あやな)部長(3年)は「同じ高校生だから聞き出せる選手の内面に迫りたい」。部員の福田倫里(つぐり)さん(2年)は「同じように全国大会の舞台を目指す選手らは、私たちの刺激になる」と語る。 放送部の活躍は、野球部員にとっても発奮材料だ。橋本仁一朗副主将(3年)は「放送部は学校の顔のような存在。僕らも負けないように、東播磨といえば野球部と言われるようになりたい」と力を込める。 試合は延長十一回9―10のサヨナラで惜敗したが、ラジオドキュメント班の制作代表・三宅菜々美さん(3年)は「力強いプレーから強い思いと磨かれた技術を感じた。野球部の悔しさをしっかり伝える番組を作り、次は絶対に私たちが全国に行く」と、再度の日本一を見据える。【後藤奈緒】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。