日本酒で面白いコト提案 菊水酒造本社に新施設「KIKUSUI蔵GARDEN」 25年春オープンへ
市場8割縮小、コトづくりに活路
一方、髙澤社長は日本酒業界の課題についても言及。「現代の日本酒は過去最高においしくなっているが、需要は長期的な減少傾向にある。ピークの1973年から約50年で8割近くも縮小した。要因はメーンユーザーの高齢化とされるが、それ以上に新しいユーザーを開拓できていないことが深刻」とし、「若者の“日本酒離れ”という言葉を聞くが、そもそも飲んだことのない“日本酒未体験層”の増加が実態」と指摘する。 その上で「ライフスタイルが多様化し、モノがあふれている現代では、良い酒(モノ)を造っているだけでは売れない。コトづくりが重要になってくる」。 こうした認識のもと、同社では1990年代後半から独自の視点による施策を推進。「菊水日本酒文化研究所」(04年)、「二王子蔵」(13年)、「製品棟」(15年)、「菊水スペース踊り」(16年)、「菊水ショップ」(19年)、「菊水庭園の一般公開」(同)などを具現化し、情報発信と品質向上に注力してきた。 来春に向け「『KIKUSUI蔵GARDEN』のオープンにより、蔵に来ていただき、体験していただき、新たな発見を提供していきたい」と期待を寄せる。