バイデン氏、反トランプ派チェイニー元下院議員に勲章授与
【AFP=時事】米国のジョー・バイデン大統領は2日、ドナルド・トランプ次期大統領を厳しく批判してきたリズ・チェイニー元下院議員(共和党)に大統領市民勲章を授与した。トランプ氏は自身の就任後、チェイニー氏は「前途多難だ」と警告している。 【写真】トランプ氏は「根に持つタイプの独裁者」 リズ・チェイニー氏 ホワイトハウスで行われた授与式で、アナウンサーはチェイニー氏について「党よりも米国民を優先した」と述べた。 大統領市民勲章は、米政府が文民に与える2番目に高位の勲章。今回はチェイニー氏やクリス・ドッド元上院議員、キャロリン・マッカーシー元下院議員、2021年1月の議会襲撃事件を調査した下院特別委員会で委員長を務めたベニー・トンプソン下院議員ら20人に授与された。共和党のディック・チェイニー元副大統領の娘であるチェイニー氏は、同委員会で副委員長を務めた。 ホワイトハウスは2日の声明でチェイニー氏について、「われわれが掲げる理念である自由と尊厳、良識、そしてわが国を守るために党派を超えて声を上げてきた」「彼女の誠実さと勇敢さは、われわれが協力すれば何ができるかをわれわれ全員に思い出させてくれる」と述べた。 チェイニー氏は近年、共和党内からトランプ氏に反対の声を上げてきたが、2022年の中間選挙でトランプ派の候補に議席を奪われた。また昨年の米大統領選では、トランプ氏に敗れた民主党候補のカマラ・ハリス副大統領を支持し、選挙集会にも参加した。 今月20日に大統領に就任するトランプ氏は、政敵への報復を誓っている。 トランプ氏は先月、「小委員会が入手した証拠によれば、リズ・チェイニーの前途は多難だ。小委員会はリズ・チェイニーが多くの連邦法に違反した可能性が高いと指摘し、これらの違反については連邦捜査局(FBI)が捜査するべきだと述べている」とソーシャルメディアに投稿した。 共和党主導の議会委員会は昨年12月、トランプ氏の支持者らによる議会襲撃事件の調査を主導したチェイニー氏を証人買収の容疑で告発した。 これに対しチェイニー氏は、容疑を否認している。【翻訳編集】 AFPBB News