【レポート】山本耕史はやはり、マークそのもの。26年ぶり出演のミュージカル『RENT』上演中!
「やっとこの日が来たか、という感じ。」
マークの同居人ロジャー役のアレックス・ボニエロはブロードウェイの人気作『ディア・エヴァン・ハンセン』のコナー役を800回以上演じた人物。甘い歌声で、引きこもりの陰鬱なロッカーを情感豊かに表現。マークの元カノであるパフォーミング・アーティストのモーリーンを演じるのはクリスタル ケイ。華やかで自信に溢れ、ワガママなところまでも可愛いといったモーリーンをチャーミングな笑顔とパワフルなパフォーマンスで魅せる。ほかに、コリンズ役のアーロン・アーネル・ハリントンの深みのある美声、モーリーンの現恋人ジョアン役のリアン・アントニオのキレの良い歌声などが印象的。この公演のために集められたキャストは、若く、少々粗削りなところもあるが、その粗さすら魅力だと思えるほどパッションに溢れた、熱いステージを届けてくれた。同時におそらく実際に若いであろうキャストの中に入っても何の違和感もない山本マークのフレッシュさ、若者特有のいらだちや仲間内のノリといったものも自然に見せるその演技力にも唸らされた。 前日に行われた会見で山本は「やっとこの日が来たか、という感じ。26年前に演じているので色々な思い出が蘇る瞬間もたくさんあったが、稽古も十分にでき、準備万端で皆さんに良い『RENT』が届けられる。あまり観たことがないようなステージになっていると思うので、ぜひこの機会に劇場に遊びに来てください」とコメント。26年前の『RENT』を目撃できた人も、あとからその伝説を知って悔しく思っている人も、2024年版の『RENT』には、2024年の山本マークにはまだ間に合う。おそらくこの公演も十年後には伝説として語られているに違いないので、今のうちに駆けつけておこう。 取材・文:平野祥恵 撮影:宮川舞子 <公演情報> 日米合作ブロードウェイミュージカル『RENT』 脚本・作曲・作詞:ジョナサン・ラーソン 演出:トレイ・エレット 初演版演出:マイケル・グライフ 振付:ミリ・パーク 初演版振付:マーリス・ヤービィ 音楽監督:キャサリン・A・ウォーカー 出演:山本耕史 / アレックス・ボニエロ / Crystal Kay / チャベリー・ポンセ / ジョーダン・ドブソン / アーロン・アーネル・ハリントン / リアン・アントニオ / アーロン・ジェームズ・マッケンジー / 他 ※全編英語上演(日本語字幕あり) ※ジョアン役で出演を予定していたナシア・トーマスは、来日直前に足首を負傷し来日ができなくなったため、代わりにリアン・アントニオが出演 【東京公演】 日程:2024年8月21日(水)~9月8日(日) 会場:東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11F) 【大阪公演】 日程:2024年9月11日(水)~9月15日(日) 会場:SkyシアターMBS(JPタワー大阪6F)