湾岸タワーマンションを相場より高く売るには? 買い叩かれず利益を出す4つのポイントをプロが解説!
自宅のタワーマンションを売るなら、少しでも高く売って売却益を得たいところです。しかし、タワーマンション、特に湾岸エリアにおいては、その商品の特殊性から一般のマンションに比べて高く売ることが難しくなります。今回は、湾岸タワーマンション市場で長らく取引をしている筆者が、不動産売却というものの要素分解をしながら、高値売却を目指せるポイントを解説します。(ふじふじ太:不動産コンサルティングマスター) 湾岸エリアのマンションの売り時はいつ? 目次タワーマンションを相場より高く売るのは難しいまずは基本的な不動産売却のポイントを抑える湾岸タワーマンションを高く売る4つのポイントまとめ
タワーマンションを相場より高く売るのは難しい
まず大前提として、「中古不動産」という商品はその特性上、相場より高く売却をするのが難しい商品であるということを理解しましょう。 その証拠に、「中古の不動産マーケティング(不動産の売り方)」に関する学術的な研究は驚くほど進んでおらず、大学院で不動産マーケティングを研究していた私も、その先行研究の少なさに驚きました。 それはなぜか。不動産売却はマーケティングの影響を受けにくく、その効果検証も難しいためです。 特に中古不動産は、差別化しにくい商品です。不動産の価格は相場が決まっており、経済の変動やトレンドによって価格が大きく左右され、一期一会で同じ条件の取引が存在しないという点で、成約価格に対するマーケティングの効果検証が困難だとされています。 ましてや、湾岸エリアのタワーマンションであればなおさらです。タワーマンションは大規模であるがゆえに、常に一定の成約数があるため一般消費者でも相場を理解しやすい商品であり、プロと消費者の情報格差がなくなってきています。 それが高い流動性に貢献している半面、高値で売却をすることを難しくしている要因とも言えます。私の感覚的には、湾岸タワーマンションの成約相場の変動率は最大でも3%前後ほどの印象です(買取再販のリフォーム物件を除く)。 例えば、現在の相場が8000万円の部屋があったとして、考え尽くせるマーケティング手法をすべて講じたとしても、9000万円になることはまずないでしょう。高く売れたとしても、8200万~8300万円くらいが限度という印象です。 「いやいや、うちは湾岸タワマン相場が8000万円の部屋が、8500万円で売れました!」という経験をされた売主さんも中にはいるとは思いますが、それはマーケティングが良かったのか、ただ景気が上向きで相場が追い付いてきただけなのか定かではありません。