ホンモノの「ラテン気質」で誘惑! アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオへ試乗 520psへ上昇
ラテン気質の個性へ誘惑される
強く輝くのは、ハードコアなモード。強力なエンジンと、重み付けの良いステアリングを、存分に味わうことができる。筆者は、ダンパーのみソフトになる、ダイナミック・モードが最も好ましいと感じた。 旋回性は鋭敏。負荷が増大するまで、ボディロールも生じない。効果的なLSDにより、アクセルペダルでコーナリングラインを調整可能。リアタイヤがスライドアウトし始めると、フロントへトルクが伝わり、深すぎるアングルには至らない。 燃費は褒めにくい。今回の平均値は7.8km/Lで、思い切り遊んだ区間では3.0km/L前後だった。とはいえ、同等の動力性能を持つライバルの数字も、大きくは違わない。 ステルヴィオ・クアドリフォリオは、運転へ夢中になれる本物のアルファ・ロメオ。大き目のボディで中途半端な仕上がりでは、と勘ぐりたくなるが、速さと落ち着き、ドライバーの心を熱くする魂をしっかり宿している。 普段使いのファミリーSUVとしては、乗り心地はハードすぎる。操縦性も、積極的すぎるかもしれない。ジュリア・クアドリフォリオより、シリアスだともいえなくない。 それでも、心の底から運転にのめり込めるドライバーズSUVへ、共感できる人は少なくないはず。一般的なモデル並みの多用途性はないとしても、ラテン気質のスーパーカーのような個性へ、誘惑されないクルマ好きはいないように思う。 ◯:第一級のスーパーサルーンに迫る走り 卓越した操縦性 ドライバーとの一体感 高性能SUVとしては小柄で軽め △:SUVらしい快適性や悪路性能、多用途性は備わらない
アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオ(英国仕様)のスペック
英国価格:8万7195ポンド(約1648万円) 全長:4687mm 全幅:1903mm 全高:1671mm 最高速度:284km/h 0-100km/h加速:3.8秒 燃費:8.5km/L CO2排出量:267g/km 車両重量:1850kg パワートレイン:V型6気筒2891cc ターボチャージャー 使用燃料:ガソリン 最高出力:520ps/6500rpm 最大トルク:61.1kg-m/2500rpm ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)
マット・ソーンダース(執筆) マット・プライヤー(執筆) 中嶋健治(翻訳)