円は対ドルで142円台後半に下落、石破氏勝利を消化-月末のドル買い
(ブルームバーグ): 30日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=142円台後半に下落。週末の自民党総裁選での高市早苗経済安全保障担当相の勝利を見込んで売られていた円の買い戻しが一巡。石破茂新総裁の誕生を消化し、再びドルを買う動きが出ている。
大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、高市氏の勝利をかなり織り込んでいたので反動が大きかったが、石破氏の週末の発言を聞くと、タカ派なイメージの「火消しに回っていた」と指摘。月末でドル買いのフローもかなりあるので「142円台ではドルの買い戻しがそれなりに出てくる」と話す。
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27日の東京市場では、金融政策の正常化に反対する高市氏が自民党総裁選の1回目投票で1位になったことを受け、利上げが遠のくとの見方から一時146円49銭と3日以来の安値まで下落。決戦投票で石破氏が逆転勝利すると円が買い戻され、142円台まで急上昇した。同日の海外市場でも利上げ観測の復活で円がじりじりと上昇した。
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石破新総裁が次期財務相に加藤勝信元官房長官を起用する方針を固めたと共同通信が28日報じた。加藤氏は先月20日のインタビューで「物価や金利が動かなかったことでいろんな構造的ゆがみ」を作ってきたが、日銀が2回の利上げを行うなど「今やっと動かせるようになってきた」と指摘。物価と賃金の好循環が続くためには金利のある経済に向かわねばならないことは「明らかだ」と述べた。
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SBIリクイディティマーケットの上田真理人金融市場調査部長は、総裁選前の高市氏の勝利を見込んだ円売りは行き過ぎだったし、石破氏の勝利を受けた円買いも行き過ぎだったと語る。
その上で「石破政権になったからといって日銀がどんどん利上げするわけではないだろうし、米国サイドも次の利下げ幅が25ベーシスポイント(bp)になるか50bpになるか不透明感が強い」と指摘。円の対ドル相場は当面140-145円のレンジで落としどころを探る展開と予想する。
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Masahiro Hidaka