現在のマクラーレン スーパーカー シリーズの始祖的存在となった「MP4-12C」【スーパーカークロニクル/096】
マクラーレン MP4-12C(McLAREN MP4-12C:2011~2014)
1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、マクラーレン MP4-12Cだ。 【写真はこちら】 ボディ形状は無駄のないフォルム。横桟基調のリアガーニッシュ中央部からエキゾーストパイプが覗く(全6枚)
マクラーレン MP4ー12Cは、マクラーレン カーズ時代に生産したマクラーレン F1、メルセデス・ベンツと共同で開発したメルセデス・ベンツ SLRマクラーレンに続く、3作目の市販スーパースポーツカーだ。しかし、マクラーレンF1はロードカーと呼べるほど一般的ではなく、SLRマクラーレンはメルセデス・ベンツ車であったので、MP4ー12Cこそがマクラーレンがロードカーに本格参入した第1作といえるだろう。 車名のMP4とは「マクラーレン プロジェクト4」の略で、ブルース・マクラーレンが興したマクラーレン レーシングと、ロン・デニス率いるプロジェクト4が1980年に合併したことに由来し、F1マシンにもロン・デニスが退陣するまで車名にMP4が付けられていた。12はV12エンジン並みのパフォーマンスを、Cはカーボンファイバーを採用していることを意味する。 車名のとおり、MP4ー12Cはカーボンファイバー製のバスタブシャシをおごっている。F1グランプリの世界でもマクラーレンはシャシの優秀性を特徴としており、MP4 ー12Cはカーボンファイバー製のシャシの前後にアルミニウム製のフレームを結合するなど、際だった高剛性のボディを実現していた。 外板パネルにアルミニウムやFRPを採用したスタイリングは、かつてピニンファリーナに在籍し、MINIやフェラーリ F430なども手がけたフランク・ステファンソンによる。ドアの開閉方式はマクラーレンF1やSLRマクラーレンにも採用されたディヘドラル式を継承している。また、サスペンションには4輪を連携制御するプロアクティブダンパーを採用するといった新機軸も投入されていた。 エンジンは、紆余曲折の末、リカルド社と共同開発した自社製の3.8LのV8 DOHCツインターボをミッドシップ搭載。小排気量エンジンを過給して大きな出力を得る、いわゆるダウンサイジングターボの考え方を先取りしてスーパースポーツカーの世界に持ち込んだのだった。MP4 ー12Cは2011年から販売が開始され、翌2012年には電動開閉ハードトップのスパイダーも追加されている。
マクラーレン MP4-12C 主要諸元
●全長×全幅×全高:4509×1908×1199mm ●ホイールベース:2670mm ●車両重量:1336kg ●エンジン種類:90度V8 DOHCツインターボ ●総排気量:3799cc ●最高出力:625ps/7500rpm ●最大トルク:600Nm/3000ー7000rpm ●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・72L ●トランスミッション:7速DCT ●駆動方式:縦置きミッドシップRWD ●タイヤサイズ:前285/30ZR20、後355/25ZR21
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