もしも、ミサイル警報が鳴ったらどうする?“着弾までの5分間”で生存率を上げる方法
戦争はいつ起きるかわからない。もし、日本を巻き込む有事が発生したら、攻撃の最初の一手はミサイル攻撃の可能性も高い。もし、自分がいる場所へのミサイル攻撃が現実のものとなる場合、どうすれば生存確率を上げられるのか、『災害からテロ、ミサイル攻撃まで まさか⁉の非常事態で「死なない技術」』 (扶桑社ムック)の著者で自衛隊危機管理教官の川口 拓氏に解説してもらった。 ⇒【写真】爆発への準備姿勢
素早く近くの頑丈な建物や地下に避難する
日本では、どこかから弾道ミサイルが飛んできたら、緊急警報が鳴ることになっている。 しかし、隣接する国から飛んでくるミサイルが国内に到達するまでの時間はわずか10分ほど。その短い時間でどう行動するのか。迅速な判断が求められる。 警報が鳴ったとしても、ミサイルがどこに落ちるかはわからない。直撃すれば、残念ながら助からないだろう。しかし、生き残る可能性を少しでも高めるために行動しなくてはならない。 行動できる時間は、おそらく5分程度しかないだろう。その間にできることといえば、少しでも安全な場所へ避難することだ。 近くに鉄筋コンクリートの頑丈な建物があれば中へ避難。地下鉄や地下街など地面の下の施設に入ることができればなおいい。ミサイルが核爆弾だとしたら、放射性物質の降下から身を守るのにも適している。
都市部へのミサイル攻撃で怖いのは飛散するガラス
恐ろしいのは爆発の衝撃波で割れて飛び散るガラスだ。 ガラスの破片は銃弾のようなスピードで飛んできて、人体を切り刻む。なので、室内にいたら窓から遠ざかり、低く伏せる姿勢を取るようにしよう。 もし逃げ込む場所がどこにもなければ、身を伏せてできるだけ低い姿勢を取るしかない。生き延びることを優先するなら、周囲の人の目を気にせずに、迷わず伏せる行動を取るべきだ。
爆発への準備姿勢は頭を危険の反対方向へ
ミサイルの着弾が近づいたら、建物の中にいたとしても、爆発への準備姿勢を取っておきたい。窓など危険な方向に足を向けて、できるだけ身を低くする。カバンや布団があれば頭部をカバーして、致命傷を受ける可能性を極力低くしよう。 着弾の衝撃で鼓膜が破れることがあるので、できれば耳をふさぎ、目を閉じておくのも鉄則だ。視覚と聴覚は、着弾後の避難に必要な知覚となるので、着弾後の生存率を高めるためにも、恥ずかしがらずに準備姿勢をとることが大切だ。