千葉県木更津市のレストラン「舵輪」で出されるフーカデンビーフカレー（同市提供）

海上自衛隊の航空機の整備で必要な部品を調達する部隊、航空補給処（千葉県木更津市）では、旧海軍時代の代表的な西洋風料理「フーカデンビーフ」を使ったカレーが隊員に提供されている。地元の商工会議所や市は補給処と連携し、市内の飲食店でこのカレーをそれぞれにアレンジしてもらい、１９日から提供する事業を始める。木更津の経済活性化の起爆剤になればと期待されている。 フーカデンビーフとは卵をひき肉で包み、蒸し焼きにしたものだ。ひき肉を塊にして加熱処理した肉料理「ミートローフ」に近い。 航空補給処内で隊員に提供される食事には１カ月に１回程度、カレーにトッピングして出されている。補給処の広報担当は「隊員にはハンバーグにくるまれたような卵が、特においしいと好評です」と話す。 市や木更津商工会議所はこうした海自カレーを街おこしに生かせればと、海自側に協力を打診し、海自側も快諾した。 その後、１年ほどかけて準備が進められ、賛同した同市周辺の飲食店９店舗で新たな「ご当地カレー」としてＰＲすることにした。 カレーの提供店になるには、フーカデンビーフを使うほか、できる限り地元産の食材を使うといった基準をクリアするのが条件だ。 １９～２８日には大型商業施設「三井アウトレットパーク木更津」でカレーフェスティバルが開催され、それぞれの店の味を楽しめる。 海自では、基地のある神奈川県横須賀市や広島県呉市、長崎県佐世保市などで、カレーがご当地の名物として定着している。 県内でも海自で最大のヘリコプター基地がある館山市で昨年、「たてやま海自カレー」が誕生した。 木更津市の担当者は「多くの観光客が木更津に訪れるきっかけになればいい。木更津をフーカデンビーフカレーで盛り上げ、全国に発信したい」とＰＲする。