春高バレー5日開幕 4大会ぶりV狙う東福岡 「日本一良いチーム」で頂点へ エースは最高到達点339センチ
バレーボールの全日本高校選手権(春高バレー)が5日、東京体育館で開幕する。2024年夏の全国高校総体(インターハイ)で準優勝した男子の東福岡はコート内外で培った「気遣いの精神」をベースに通算4度目の春高制覇に照準を合わせている。 ■春高バレー男子の組み合わせ 「日本一強くなくても、日本一良いチームなら頂点に立てる」。名将の言葉を胸に、東福岡が4大会ぶりの全国制覇に照準を合わせている。主将の照屋舜(3年)は「負けてたまるかという気持ちをボールに乗せて、チーム全員で最後まで戦う」と闘志をたぎらせる。 目標とする「日本一良いチーム」とは―。2006年度から指揮する藤元聡一監督(49)が重視するのは徹底した人間教育だ。「コートの内外でお互いを気遣い、苦しいときに全員で支え合う。そうした人間性が勝負どころで必ず出てくる」 プレーではブロック時の手のひらや指先の「表情」にこだわる。「手から気迫が相手に伝わるし、味方を鼓舞する」。東福岡を春高バレー3度の日本一に導いた指揮官の口調には説得力がある。 前回大会で初戦敗退という苦渋を味わい、スパイクの確率やブロックの強度を高めるトレーニングに取り組んできた。昨夏のインターハイでは2年ぶりの決勝進出を果たしたものの、2連覇を達成した駿台学園(東京)の洗練されたコンビバレーに敗れて準優勝。福岡県代表の大半を占めて臨んだ昨秋の国民スポーツ大会でも3位だった。照屋は「頂点まであと一歩届かなかった」と悔しさをあらわにする。 今季は3年の両セッター、首藤柚希と安座間琉新から繰り出される多彩な攻撃が持ち味。最高到達点339センチの跳躍力を誇るアウトサイドヒッターの松下晃大(3年)が力強いバックアタックで流れを呼ぶ。ミドルブロッカーの照屋を軸に、伝統の粘り強い守備も光る。 「バレーボールは1人では勝てない競技。絆を大切にして、日本一良いチームとして勝ち切りたい」と照屋。どこよりも一体感のあるチームを練り上げ、集大成の大会を笑顔で終わらせるつもりだ。(山崎清文)