練習を公開したアンソニー・オラスクアガ（左）と中谷潤人

プロボクシングのWBO世界フライ級王者のアンソニー・オラスクアガ（25）＝米国＝が30日、神奈川・相模原市のM・Tジムで同級1位のジョナサン・ゴンサレス（33）＝プエルトリコ＝との初防衛戦（10月14日、東京・有明アリーナ）に向けた練習を公開。初防衛を果たし、前日にWBC世界フライ級王座決定戦に臨む寺地拳四朗（BMB）との統一戦での再戦を希望した。 シャドーボクシングとサンドバッグ打ちを各1ラウンド披露したオラスクアガは、大粒の汗を流しながら笑顔で好調をアピールした。 「全て良い。順調だ。トレーニングも素晴らしい結果が残せているし、今はコンディション抜群だ」 9月26日に拠点の米カリフォルニア州ロサンゼルスから来日。最高気温はロサンゼルスの方が高いぐらいだが、湿度は日本の方が圧倒的に高いため、計2ラウンド動いただけで大汗をかき「日本の方が減量が楽」と笑った。 同便でロサンゼルス合宿から帰国したチームメートで、WBC世界バンタム級王者の中谷潤人（26）＝M・T＝と日本でも一緒に調整しており、この日の公開練習も2人で実施。「2人がチャンピオンになって、また同じリングに立つっていうなんともクレイジーな現実を目の当たりにしている。引き続き自分の良さというのを見せながら、自分自身のチャンピオンとしてのストーリーをしっかりと描きながら、お互いがチャンピオンであり続けたいというのが自分の今の思いです」と親友の中谷との共闘を誓った。 帝拳プロモーションと契約しているオラスクアガは昨年4月に東京・有明アリーナで代役として急遽（きゅうきょ）、WBA、WBC世界ライトフライ級統一王者だった寺地に挑戦し、初めての世界戦で激闘を演じた末に9回TKOで敗れた。昨年9月の2戦前、今年7月の前戦も中谷と同興行で東京で闘っており、前戦ではWBO世界フライ級王座決定戦で、同級2位だった加納陸（大成）に3回KO勝ち。2度目の世界戦で王座を獲得した。 初めてベルトを守る闘いに臨むが「対戦相手がボンバ（ゴンサレスの愛称）ということで、彼のような選手を相手に防衛戦ができるというのは、自分のスキルを見せるチャンスだと思う」とワクワクを隠し切れない様子だった。前WBO世界ライトフライ級王者の難敵、ゴンサレスについては「とても賢く、いい動きをする選手。スピードもあるので、そういったところが彼のアドバンテージとして働くと思う」と警戒。それでも「自分はプレッシャーをかけていく。どういったマッチアップになるのか楽しみだ」と自信を示した。