【大掃除】「捨てなければよかった」と後悔するなかれ、捨てる前より人生がよくなっている理由
年末が近づき、慌ただしさが増すこの季節。大掃除や年越しの準備、新年の計画など、気ぜわしい日々を過ごしている方も多いのではないでしょうか。そんな時期だからこそ、「本当に必要なもの」を見極め、暮らしの余白をつくる時間をとりたいものです。本記事では、ミニマリスト・筆子氏の新刊『それって、必要?』(三笠書房)より、大掃除をシンプルに進めるための「捨てるスキル」や、必要以上に物を増やさないための「買わない挑戦」など、新年をすっきり過ごすためのアイデアをお届けします。 【この記事の画像を見る】 物を捨てたあと、いつまでも後悔しないように、少なくともいきおいで捨てないほうがいいです。衝動で捨てるのではなく、ていねいに一つひとつ確認しながら、これはこういう理由で私の人生には不用だから捨てよう、と納得してから捨てるといいでしょう。 でも、ここでお伝えしたいのは、後悔する気持ちを無理に手放さなくていいということです。後悔することが多い人は、何をしても後悔しがちです。捨てれば、捨てたことを後悔し、捨てなければ、それを買ったことを後悔します。 後悔したとき、マイナス感情を引きずらず、なぜ自分は後悔しているのか、その理由を客観的に考えると、後悔からさまざまなことが学べます。 ● 大丈夫!捨てる前より、人生はよくなっている! そもそも、後悔とは何でしょうか? 私は、「もし過去のある時点で自分が違った行動をとっていたら、いまはもっとよい生活をしていただろう、と判断すること」と定義しています。 後悔とは、自分の判断です。いくら捨てるときに気をつけても、あきらめが悪かったり、過ぎてしまったことに執着したりするなど、必要以上に後悔する傾向があると、よけいな後悔がついてまわります。
先日、クリップを使っていて、「そういえば、以前、大量に捨てちゃったな」と思いました。文房具の数を減らしていたとき、全然使っていなかったクリップを、12個だけ残して捨てたのです。その個すべてを使う必要が生じ、実際に使用しました。「もしかして、捨てすぎたかも?」とチラリと思ったのです。 しかし、13個目が必要になったわけではありません。もし必要になったら、娘が持っていないか聞けばいいし、娘が持っていなかったら買ってくるか、なしですませる方法を考えればいいだけです。 紙を2枚つなげたいなら、片隅をのりで貼ったり、マスキングテープで留めたりしてもいいでしょう。ホチキスを使うという手もあります。 私は「あ、あれがいまあったら使えるかも」と思うことはあります。けれど「なくてもふつうに生活できているし、前より人生はよくなっている」と考えると後悔はないのです。 後悔が多いなら、自分と向き合ってその後悔の本質をさぐってみてください。 たとえば、服を捨てて後悔したとします。 「似たような黒いタートルネックのトップスが3着あったので、2着捨てた。捨てて半年ぐらいたってから、残した1着が破れた。手持ちの服がだめになったので、前に捨てたものがあればよかった、と後悔した」 こんなふうに、「ああしなければよかった」「捨てなければよかった」と思ったら、そのできごとの顛末と、後悔した理由を書いていきます。 その後悔がいつはじまって、どのぐらい続いたか、日付や後悔している期間も書きます。 ノートを1冊用意して「私の後悔日記」とタイトルをつけ、半年から1年ぐらいつけるといいでしょう。スマホでつけても、いいかもしれません。 ある程度、記録したら読み返してみてください。次のようなことがわかるでしょう。 ・自分の後悔にはパターンがある(捨てて後悔する物は決まっている) ・貴重な時間と脳のリソースを使って後悔しなくてもいいことを後悔している ・脳が暇だから、ネガティブなことを考えてしまう ・後悔する外的な理由(体調が悪い、忙しい、子どもに手がかかる、その他日々の生活に対する不満)がある 分析すれば、自分が後悔する理由が見えてきます。 後悔することは決して悪いことではありません。人間は失敗する生き物です。記憶や自分のしたことを振り返る能力があるのは、じつはすばらしいことです。 後悔することをあまりネガティブに捉える必要はありません。後悔するできごとから学ぶことができますし、今後の行動を修正できます。