J1復帰を決めて笑顔を見せる清水の選手ら＝27日午後、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎ

　サッカーJリーグ2部（J2）は27日、各地で第36節を行った。清水エスパルスは宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎで栃木SCを1―0で破り、自動昇格圏の2位以上を確定させて3季ぶりのJ1復帰を決めた。 　清水は昨季、リーグ最終節で水戸と引き分け4位になり、その後のJ1昇格プレーオフを突破できず初めて2季連続でJ2となった。今季は開幕戦でロアッソ熊本に逆転勝ちして弾みを付けると、第4節以降は3位以上をキープ。司令塔の元日本代表MF乾貴士選手（36）がけがで離脱した時期もあったが、選手層の厚さで上位をひた走った。 　リーグ終盤は秋葉忠宏監督（49）の采配が的中して交代選手が毎試合活躍。今季新加入選手が期待に応えて主力に定着し、若手も頭角を現した。 【評】清水は栃木を1―0で破り、J1昇格を決めた。 　前半開始早々、相手にCKの流れからネットを揺らされたが、オフサイドの判定。前線からのプレスに苦戦した。40分にMF北爪のクロスをFWカルリーニョスが合わせたが、枠に飛ばなかった。 　後半5分、MF宇野の右CKをニアでMF中村がそらし、中央のDF住吉が右足で合わせて先制。チームは勢いづき、FW北川が終盤に退場したが、逃げ切った。 ■清水エスパルス沿革 　1991年2月、日本リーグ時代の母体を持たない唯一のクラブとしてJリーグに加盟。96年ヤマザキナビスコカップ（現YBCルヴァンカップ）で初タイトルを獲得した。 　98年2月、運営会社のエスラップ・コミュニケーションズがエスパルスに営業権を譲渡。99年にはJ1リーグ第2ステージを制覇した。2000年アジアカップウィナーズカップ、01年度天皇杯全日本選手権で優勝したが、03年以降はタイトルに恵まれず、15年に初のJ2降格。1シーズンで復帰したものの22年に再び降格し、23年からは初めて2季連続でJ2となった。 　「S―PULSE」のSはサッカー、静岡、清水の頭文字。「鼓動」を意味するPULSEはサッカーを愛する県民、市民の胸の高鳴りとチームの精神を表す。チームカラーはオレンジ。ホームタウンは静岡市。