WEC公式テスト、輸送遅延により延期か? 貨物船襲撃による紅海の航路寸断で一部チームの輸送コンテナが未だ到着せず
世界耐久選手権(WEC)は今週末の2月24日から25日にかけてカタールのルサイル・インターナショナル・サーキットにてプレシーズンテスト“プロローグ”を控えている。 ハイライト動画|WEC 2023第7戦バーレーン8時間レース 3月2日の開幕戦カタール1812kmレースに向けた重要なテストとなるが、海路で車両や機材を運ぶ一部チームに貨物到着の遅れが発生。これによりWECはテストを延期する可能性がある。 WECが発表した声明の中で、全ての輸送コンテナがカタールに到着するのが最大48時間遅れる見立てを明かし、状況次第ではプロローグのスケジュールが変更される可能性があるとも説明した。 「紅海の航路が寸断されているため、FIA世界耐久選手権の開幕戦カタールに向けて多くの輸送コンテナの到着が遅れている」 「選手権は、サーキットに到着する貨物の一部に24時間から48時間の遅れを見込んでおり、各チームに進捗を定期的に報告している。そのため、プロローグのスケジュールが変更される可能性があり、まもなく決定される予定だ」 ドバイ24時間レースの主催者は以前、同様の輸送の遅れにより、当初1月13日から14日に予定されていた2024年大会の日程変更を余儀なくされた。結局、14日遅れでIMSAの開幕戦であるデイトナ24時間レースと同じ週末に開催されることになった。 ただ今回の場合、WECのパドックはプロローグの翌週にカタールで行なわれる開幕戦に向けて、そのままサーキットに残るため、スケジュールの再編成は比較的容易と考えられる。 昨年11月からイエメン北部を拠点とするイスラム教シーア派の一派であるザイド派の武装勢力「フーシ派」が紅海でのコンテナ船襲撃を加速させて以降、周辺海域での貨物輸送はコスト的にも問題となっている。 紅海はスエズ運河を経由してインド洋と地中海、そしてヨーロッパとアジアを結ぶ海運の要所。その航路が寸断されたことにより世界貿易には深刻な混乱が発生しており、スエズ運河の交通量は顕著に減少している。
Rachit Thukral