注目右腕擁する専大松戸 投打で高いレベル、高まる期待 センバツ出場校紹介
2年ぶり2回目の出場となる専大松戸(千葉)は、昨秋の千葉県大会で初優勝し、関東大会でも4試合のうち2試合で逆転勝ちして準優勝した。投打ともに高いレベルでまとまり、終盤の粘りも光る。監督として春夏計11回目の甲子園となる持丸修一監督は「やってくれるかなという期待はある」と手応えを示す。
県大会初V、関東も快進撃
昨夏の県大会は、準決勝で木更津総合に5―6で逆転負けを喫した。新チームのメンバーは、この時の3年生の涙を胸に刻んで練習を重ねてきた。 これまで秋の県大会で優勝経験はなく、関東大会も2020年の4強が最高成績だった。そんな中、「関東大会優勝」という高い目標をあえて掲げた。 エースの本格派右腕・平野大地(2年)を中心とした層の厚い投手陣と切れ目のない打線を武器に、県大会は順調に勝ち進んだ。準々決勝で木更津総合に雪辱を果たすと、準決勝で昨夏の王者・市船橋を延長戦の末に降し、秋の県大会を初めて制した。 関東大会でも快進撃は続いた。初戦のコールド勝ちで勢いに乗ると、準々決勝は作新学院(栃木1位)、準決勝では慶応(神奈川2位)との接戦を制した。決勝こそ敗れたものの、全国で十分に戦える力を証明した。
エース平野は大会注目右腕
大会注目の平野は最速151キロ。関東大会は肋骨を痛めていた影響で救援のみの登板となり、直球は140キロ前後にとどまったが、スライダーやカーブも駆使して要所を締めた。冬場は投球の幅を広げるべく、落ちる球の習得に励んだ。
打線はレギュラーの多くが打率3割超をマーク。下位にも好打者が並び、切れ目がない。中心は4番の吉田慶剛。速球、緩い変化球ともに対応でき、中堅から逆方向に長打を狙える。父の祐司さんは竜ケ崎一の主将、叔父の新岡裕豪さんは藤代(ともに茨城)の中心打者として、持丸監督が率いるチームで甲子園に出場した。
「前向きで明るいのがチームの持ち味」と主将の大森准弥。主力に1年生も多く、成長力は計り知れない。甲子園では、冬を越えて一回り大きくなったナインたちが躍動する姿が見られそうだ。
OBに日本ハムの上沢直之ら
学校法人専修大学が1959年に創立。建学の精神として、「報恩奉仕」「質実剛健」「誠実力行」を掲げる。国際社会を担うリーダーを育てることを目指しており、英語教育に力を入れている。 将来の目標に応じて四つの類型に分かれ、現在は1292人の生徒が在籍する。専修大への内部進学も含め、卒業後は大半が国内外の大学へと進む。 野球部以外の部活動も盛んで、陸上競技部や相撲部はインターハイ出場の常連だ。ラグビー部やサッカー部なども県内屈指の強さを誇る。 北海道日本ハムファイターズの上沢直之投手は野球部OB。スポーツ界以外にも、放送、芸能など幅広い分野で活躍する卒業生を多数輩出している。