ニカラグアの30年ぶりの長編映画。母の不在に直面した少女を描く「マリア 怒りの娘」
独裁政権や内戦が長く続いた影響で、経済が停滞して映画産業が発達せず、これまで国産の長編映画は数本のみ──。そんな中米ニカラグアで30年ぶりに製作された長編映画であり、同国初の女性監督作となる「マリア 怒りの娘」が、2月よりユーロスペースほかで全国順次公開される。ポスタービジュアルと場面写真が到着した。
湖のほとりのゴミ集積場の近くに、母と暮らす11歳のマリア。生活は苦しく、母は飼い犬を売ろうとするが、不慮の事態により失敗した。トラブルを解決するため、母は娘をリサイクル施設に預け、「すぐに戻る」と言って街へ出かける。 だが母はいつまでも戻らず、戸惑いと怒りを募らせるマリア。ついには施設を抜け、母を探す旅に出る──。
監督は、ニカラグアに生まれてメキシコの国立映画学校で学んだローラ・バウマイスター。2014年の短編「Isabel Im Winter」がカンヌ国際映画祭監督批評家週間に選出され、「マリア 怒りの娘」が初長編となる。楽曲は「燃ゆる女の肖像」のパラ・ワンが手掛けた。 映画は2022年のトロント国際映画祭ディスカバリー部⾨、サン・セバスティアン国際映画祭新⼈監督部⾨、釜⼭国際映画祭フラッシュ・フォワード部⾨で上映された。貧困問題とともに、少女のリアルを実直な美しさで捉えた注目作だ。
「マリア 怒りの娘」
監督:ローラ・バウマイスター 出演:アラ・アレハンドラ・メダル、バージニア・セビリア、カルロス・グティエレス、ノエ・エルナンデス、ダイアナ・セダノ 2022年/ニカラグア、メキシコ、オランダ、ドイツ、フランス、ノルウェー、スペイン/91分/スペイン語/原題:LA HIJA DE TODAS LAS RABIAS 配給・宣伝:ストロール © Felipa S.A. – Mart Films S.A. de C.V. – Halal Scripted B.V. – Heimatfilm GmbH + CO KG – Promenades Films SARL – Dag Hoel Filmprooduksjon as – Cardon Pictures LLC – Nephilim Producciones S.L. ‒ 2022 公式サイト:https://strollfilms.com/daughter