【ステイヤーズS】シュヴァリエローズ充実!坂路単走楽々1F12秒8
師走の中山開催の開幕を飾る名物マラソン重賞「第58回スポニチ賞ステイヤーズS」の最終追いも行われ、京都大賞典で重賞初Vを飾ったシュヴァリエローズが重賞連覇に向け上々の走りを披露した。 もう攻める必要はない。6歳シュヴァリエローズは開門直後の坂路で馬なり単走。最初の1Fをゆっくり14秒6で入り、折り合いに専念した。全くブレのない走りで馬場の真ん中を力強く駆け上がると、4F53秒7~1F12秒8を楽にマーク。乗り役の重心移動で負荷をかけているだけで最後まで手綱は動かさなかった。見守った清水久師は「前走の最終追いと同じようなイメージでサラッとやった。前回と体の見た目は変わらないし、いい状態で臨める」と充実ぶりを強調した。 秋初戦の京都大賞典で待望の重賞初制覇。逃げ馬が後続との差を大きく広げる縦長の展開を6番手で折り合い、3角の下り坂から徐々に差を詰めた。直線半ばで一気にギアを上げると、早め先頭で粘り込みを図った実績馬ディープボンドを捉え、2年9カ月ぶりの勝利を手にした。指揮官は「最後はいい勝負根性を見せてくれて、非常に強かった」と誇らしげに振り返る。 22年1月の寿Sを制し、オープンクラス入り。1600~2000メートルを中心に使われ、ひと押しに欠ける競馬が続いたが、今年に入って中長距離へシフト。道中で急がせるより、ゆったりした流れの方が我慢が利く。距離を延ばしたことで最後のひと押しにつながった。今回はさらに6Fの距離延長となり、未知の部分はあるが「折り合い面で心配がないのは強み。なかなか道中で進んでいかないので、距離は延びてもいい」と自信を口にする。京都大賞典で重賞勝ち馬5頭を蹴散らした走りは本物。充実期を迎えたディープインパクト産駒が長丁場で主役を張る。