ダルよりマー君が高年俸はまずい? レンジャーズ撤退ムード
日米間で新たに締結されたポスティング制度での来季大リーグ移籍を目指す田中将大投手との交渉が、26日に解禁となり、早くもヤンキースなどが代理人のケーシー・クロースと接触したと報じられる中、有力候補の一角とみられていたレンジャーズに、撤退ムードが漂い始めた。 テキサスの地元紙「ダラスモーニングニュース」のコラムニストなどを務めるカウリショウ記者は、26日、一般読者とのネット対談で田中獲得の現実味を問われて、「ダルビッシュがどう思うか、考えてもみて欲しい」と、田中獲得がダルの“心情”を損ねることを懸念する。 同記者は、ポスティング制度が改められた今回は、複数球団の争奪戦となることが確実で、入札上限額が2000万ドル(約21億円)に抑えられる分、田中自身の年俸契約は高額になる。そうすれば、メジャー2年の実績を築いたダルビッシュが、メジャーで1球も投げていない新人の田中に年俸で追い越される可能性は高く、「今季、サイヤング投票で2位に入ったダルビッシュが、チームで二番目に高額なアジア選手となるのは、如何なものか」と、指摘する。 メジャー2年の実績を築いたダルビッシュが、メジャーで1球も投げていない新人の田中に年俸で追い越されば、例え、プライベートでも仲が良いと言われる2人であっても、「摩擦を生むのではないか」と同氏は分析する。 また、翌27日には、米全国紙「USA TODAY」のナイチンゲール記者が、ツイッターで「田中は最低年俸1700万ドル(約17.8億円)を希望している」とつぶやいた。確かに、来季年俸が1000万ドル(約10.5億円)のダルビッシュにとっては、若干気になる“開き”かもしれない。 また、同27日には、レ軍のシンプソン共同オーナーが、「田中獲得は厳しいだろう。(参戦が)ないとは言えないが、大スターを獲得するより、今の戦力で戦う方に関心がある」と発言。今オフは、トレードで獲得したフィルダーの来年以降7年分の年俸1億3800万ドル(約143億円)に加えて、秋信守と7年総額1億3000万ドル(約135億円)の“買い物”をした後だけに、「財政面での債務に関しては、現状で満足している」と“打ち止め”を示唆。攻撃力の補強で予算オーバー。田中争奪戦の中から、早速、有力球団が撤退ムードとなった。