非鉄金属流通の大成、鈴木精器(常総市)を子会社化。機械加工機能を拡充
非鉄金属流通の大成(本社・東京都大田区、社長・大竹治輝氏)は10月30日、ダイカスト製品の機械加工などを手掛ける鈴木精器(本社・茨城県常総市、社長・鈴木和氏)を子会社化した。後継者問題を抱えていた鈴木精器と加工事業の強化を目指していた大成の考えが一致した。大成は鈴木精器の機械加工機能を活用し、既存取引先を中心に新規も含め需要開拓を進める。 鈴木精器は1968年に創業したアルミや真ちゅうなどの機械加工会社。NC旋盤やタッピングセンターなどの加工設備を多数そろえるほか、三次元測定器などの検査設備も充実している。この藻品を中心に500~1千個のロットサイズを得意としており、釣具や自動車部品、半導体部品など多様な業種に精密加工部品を供給している。 精密加工で堅実なビジネス基盤を築く鈴木精器は、半導体産業が不調な中でも特定の業種に寄らない取引先を武器に、足元も高い操業度を保っている。しかしながら後継者不在という課題を抱えていたため、今年に入ってから仲介業者を通じて事業譲渡を検討していた。複数の企業からアプローチがあったが、アルミ板などの素材売りを主力とする大成とのシナジーが見込めるとして譲渡を決断した。10月30日の譲渡契約完了を受け、鈴木精器の社長には先月30日付で大竹治輝大成社長が就き、鈴木和前社長は顧問取締役に就いた。 大成は2022年に同業の日章金属を子会社化し、ステンレスや伸銅品などの取り扱い品種を拡充していた。その後は営業の人員を拡充して販売機能を強化していたが、「新規開拓をする中でダイカスト関連の見積もり依頼を受けるケースも多く見られた。こうした受注をグループ内で対応できないかと考えている中で紹介をいただいた」(大竹社長)という。また「鈴木精器は営業機能がほとんどなくやってきた会社。鈴木精器の素材調達などの既存取引はこれまで通り維持しながら、今後は大成や日章金属の顧客網と営業機能を活用することでシナジーを発揮できると見ている」(同)とした。