ジャック・リヴェット傑作選で「地に堕ちた愛」「セリーヌとジュリーは舟でゆく」など上映
フランスの映画監督ジャック・リヴェットが手がけた作品の特集上映「ジャック・リヴェット傑作選2024」が、4月19日より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次行われる。 【動画】特集上映「ジャック・リヴェット傑作選」の予告編はこちらから リヴェットは、ジャン=リュック・ゴダールやフランソワ・トリュフォーらと並ぶヌーヴェルヴァーグの中心的人物。1991年には「美しき諍い女(いさかいめ)」で第44回カンヌ国際映画祭の審査員グランプリに輝いた。 今回の上映作は、すべて4Kデジタルリマスターによる修復版がスクリーンにかけられる。ジェーン・バーキンとチャールズ・チャップリンの子女ジェラルディン・チャップリンが主演を務めた心理劇「地に堕ちた愛 完全版」、演劇学校の学生たちが事件に巻き込まれるミステリー「彼女たちの舞台」、3人の女性がパリを舞台に冒険に繰り出す「パリでかくれんぼ」がラインナップに並び、「セリーヌとジュリーは舟でゆく」「デュエル」のアンコール上映も行われる。 ■ ジャック・リヴェット傑作選2024 2024年4月19日(金)~5月9日(木)東京都 ヒューマントラストシネマ渋谷ほか <上映作品> 「地に堕ちた愛 完全版」 「彼女たちの舞台」 「パリでかくれんぼ 完全版」 「セリーヌとジュリーは舟でゆく」 「デュエル」 ■ 中条省平(フランス文学者、学習院大学教授)コメント ジャック・リヴェットこそヌーヴェル・ヴァーグの発火点だ、とトリュフォーは言った。 リヴェットは自分の長編第1作を「パリはわれらのもの」と名づけた。リヴェットのパリは、ヌーヴェル・ヴァーグで唯一の神秘都市だ。華やかな風景で観客の目を奪うが、その外見の下に、幻想世界の淵が開く。主な登場人物は、パリをさまよう美しい妖精のような娘たち。彼女らは、神秘都市の舞台で、細く敏捷な体に、目も絢な衣装をつけて、自分という役を探求する役者なのだ。 だが、パリではいつも怪しい陰謀が舞台を包みこむ。彼女らは、仲間と手を組んで、その陰謀の謎を解こうと奔走する。こうして、リヴェットの映画は予想もつかない冒険ミステリーとなる。 「地に堕ちた愛」の異界に通じる館、「彼女たちの舞台」の閃光のような列車、「パリでかくれんぼ」の突然階段で踊りだす娘たち……。あらゆる細部が、純粋な映画の快楽で私たちを魅了する。