お礼が言えない夫から「ありがとう」の言葉が...思いが伝わる“笑い文字”とは?
笑い文字は海外でも有効なコミュニケーションツール
笑い文字は、書いて渡すことで、「感謝」と「喜び」の循環をめざしています。 私は日本のみならず、どの国に行っても笑い文字を書いて渡しています。今はスマホで外国語を調べたり翻訳したりできる時代です。 例えばレストランの食事が気に入ったら「おいしかった!」、給仕の方の感じがよかったら「笑顔が素敵ですね」などなど、現地の言葉を笑い文字にして渡しています。 外国語で感想を書くのが難しければ、お店の名前に笑顔を添えるだけでもいいのです。相手もとびっきりの笑顔を返してくれたり、会話が弾んだり、デザートをつけてくれたり...etc. 思いもよらぬ交流が生まれます。 私がイギリスに行ったときのこと。幼いころに読んだ物語に出てきて食べてみたかったイングリッシュブレックファーストを体験しました。 念願を果たした私は「食べるのに50年かかった!」と笑い文字でメッセージを書き、お店の人に渡しました。するとわざわざ厨房からシェフの人が出てきて喜んでくれたのです。 おそらく普通にお店に行くだけでは、こんなご縁は生まれないでしょう。私がメッセージを書いている時間と、相手がそれを見て喜ぶ時間。それはたった数分だとしても、お互いの命が通い合う時間が生まれたと思うと、奇跡を感じます。
笑い文字はコミュニケーションツール
笑顔は言葉以上に人の心に届くもの。笑い文字を使ったコミュニケーションを実践された方の体験談をご紹介します。 【母から託された「ありがとう」】 言葉だけじゃなくて何か形で感謝の気持ちを伝えたい。そんな経験はないでしょうか? 老齢の両親を連れて行った飲食店でのこと。咀嚼が衰えていた母のためにごはんをお粥にしてもらいました。帰り際に感謝の言葉を述べましたが、厨房の方にまでは伝えることができず、それだけが心残りでした。いつもていねいにお礼を述べる母はさぞかし自分からも言いたかったことでしょう。 その後、相次いで両親が亡くなり7回忌も済んだころ、私は笑い文字と出会い、あのとき渡したかったのはこれだ、と思いました。そしてあのお店の方に、満面の笑顔とメッセージを書いた1枚のはがきをお渡ししました。書いた言葉は「母に代わってありがとう」。 裏面には当時のエピソードと感謝の言葉を添えました。お店の方はとても喜んでくださいました。私も母とつながったような気持ちがしてうれしかったです。 【「ありがとう」を言えなかったご主人が...!?】 70歳を越えた女性に笑い文字で「ありがとう」を書いたはがきを渡したら、ある日うれしそうに話してくださいました。 「主人がね、ありがとうって言うようになったのよ。結婚して40数年、あの人の口からありがとうって聞けるなんて夢にも思わなかったわ。きっと、あなたにもらったはがきを、うちの中に貼っておいたおかげだと思うの」 自分でも書いてみたいと思われたのか、後日その方も笑い文字を学ばれました。ますます笑顔がいっぱいの「ありがとう」が飛び交う毎日を過ごしておられることでしょう。