【J2「体質」】清水、FW北川が“ストライカーの嗅覚”で先制弾も今季無敗のホームで逆転負け 深刻な「シーズン終盤に勝ち切れない体質」(1)
■シーズン終盤に繰り返される「体質」
清水が先制する直前に、山形がアタッカーの3枚替えを行なっていた。相手の勢いを削ぐ先制弾となったはずだが、80分に同点とされてしまう。 秋葉監督は85分にDF高木践、MF西澤健太、FWドウグラス・タンキを投入する。再び突き放すための選手交代だったが、ここでまたゴールを喫するのだ。87分、自陣左サイドで直接FKを与えてしまい、ゴール前で相手FWをフリーにしてしまった。ヘディングシュートを浴び、1対2と試合を引っ繰り返された。 清水は前節の水戸ホーリーホック戦で、2位以内を確定できる可能性があった。自分たちが勝利し、長崎が引分け以下に終わるという条件だったのだが、前半を0対2で折り返してしまう。同点まで持っていくのが精いっぱいで、J1昇格は山形戦へ持ち越しとなった。 振り返れば昨年、23年のJ2リーグでも、勝てば自力でJ1昇格を決められる試合で引分けた。同年のJ1昇格プレーオフ決勝でも、後半アディショナルタイムの失点で失意のドン底へ突き落された。 さらに言えば22年のJ1でも、最終盤の失点で勝点3が1になったり、勝点1が0になったりした。ここぞという試合で勝利を逃す経験は、何度も、何度も、何度も、繰り返している。そしてまた、勝てば自力でJ1昇格をつかめる山形戦を落としてしまった。無敗を誇っていたホームで、シーズン初黒星を喫した。 3位の長崎との勝点差は、10から7に縮まった。残り3試合で勝点3を上積みすれば、自力で2位以内を確保できる。依然として立場は有利だが、シーズン終盤になると勝負強さを失う体質が、チームの行く末に暗い影を落とすのも事実だ。
戸塚啓
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