IT業界とは?企業分類、職種、将来性まで解説|志望動機の書き方も紹介【例文あり】
IT業界を志望する場合、どのような企業分類があり、どういったビジネスを展開しているのかを理解することがまず大事です。また、同じエンジニアでも職種によって手がける仕事内容が変わってきます。 リクナビ就職エージェントのキャリアアドバイザーが、IT業界の企業分類やビジネス、職種、仕事のやりがい、将来性まで解説するので、業界研究の参考にしてみましょう。また、応募書類の作成に役立つ志望動機の書き方や例文も併せてご紹介していきます。
IT業界とは?
ITとは「Information Technology(情報技術)」の略で、コンピュータやインターネットを介する情報技術のことを指します。IT業界はIT技術を活用したサービスを展開する企業が属する業界です。 例えば、身の回りで利用しているものでは、スマートフォンのゲームやSNS、動画配信サイト、メッセージアプリ、交通系IC、銀行の送金システムや買い物をする際のレジにもIT技術は使われています。 また、多くの企業はITを活用して業務の効率化やサービスの提供を図っているため、ほとんどすべてのものにIT技術が使われていると考えてよいでしょう。
IT業界の5つの企業分類を解説
IT業界の企業は、大きくは5つに分類されます。まずはそれぞれについて把握していきましょう。 ■ソフトウェア系 コンピュータ上でさまざまな処理を行うプログラムが「ソフトウェア」です。全体のシステムを管理するオペレーティングシステムがソフトウェアであり、さらに、アプリケーションソフトや、オペレーティングシステムとアプリケーションソフトをつなぐ役割を果たすミドルウェアがあります。 ソフトウェア系の企業は、経営管理ソフトやセキュリティソフト、顧客情報管理ソフト、各種アプリケーションなど、多様なソフトウェアを開発しています。 ■ハードウェア系 一般的にハードウェアとは、目に見えるコンピュータ関連機器のことを表し、コンピュータ、モニター、キーボードなどの周辺機器などのことを指しています。これらの開発・製造を手がけているのがハードウェア系の企業です。 また、スマートフォンやタブレット機器、ゲーム機、家電など、高度なプログラムが搭載されている機器については、精密機器や家電メーカーなどが手がけているケースもあります。 そのため、コンピュータ関連機器以外の製品の開発・製造を行っている企業もハードウェア系企業に含まれることもあります。 ■情報処理サービス系(システムインテグレータ) 企業向けの情報システムや、Webサイト上で利用されるサービスを開発・運用しているのが情報処理サービス系の企業です。「システムインテグレータ(SIer)」と呼ばれることもあります。日本のIT業界は、この分類に含まれる企業が多くを占めています。 顧客となる企業の課題を引き出し、その解決に必要なシステムの企画・提案を行い、システムを形にするためにハードウェアの調達、ソフトウェアの開発なども手がけます。システムが完成した後に、保守・運用まで請け負う企業もあります。 また、開発や保守・運用のみを専門に手がける企業もあります。さらに、IT関連のコンサルティング業務も手がけ、システムの提案・開発を通じて、顧客企業の仕事の進め方や組織の在り方などの改善・改革につなげるまでを手がける企業もあります。 システムインテグレータの大企業では、顧客企業からシステムの刷新・更新などを直接引き受けることが多く、巨額のコストと年数をかけて取り組む大規模プロジェクトに携わるケースも多くあります。 この場合、顧客企業の要望を基にシステムを設計し、プロジェクト全体の進行管理していくことが主な仕事となります。こうした場合、複数の協力会社に開発を任せていくため、自らプログラミングを行う機会は少ないと言えるでしょう。 ■通信インフラ系 通信環境において必要となるインフラ設備の整備・提供・運営を手がけているのが通信インフラ系の企業です。携帯電話会社をはじめ、通信キャリアに関連する事業を展開している企業がこれに当たります。 電波や回線を提供し、それに必要なネットワーク設備の保守や運用サービスなどを行います。また、通信インフラのサービスは、固定電話やパソコンの通信にかかわる「固定通信」、携帯電話やスマートフォンなどのモバイルにかかわる「移動体通信」、インターネットの接続にかかわる「ISP(インターネットサービスプロバイダー)」などがあります。 ■ITサービス・Web系 インターネットを使った自社のサービスを提供・運営する企業がこれに当たります。エンドユーザーに提供するWebアプリやシステムなどを手がけ、自社で企画からシステム構築、開発、リリース後の運用まで、すべて行い、収益もそこから得ています。 ゲームアプリやSNS、Webコンテンツ、Web上で使える業務ツールなどを提供する企業や、ネットショッピングサイトやオンライン決済サービスなどを運営する企業など、手がける事業内容はさまざまです。 認知度の高いサービスを提供している企業も多いため、IT業界を志望する学生がイメージしやすい企業分類と言えます。 ■そのほか、ICT関連の事業を展開する企業もある IT技術の中でも、ICT(Information and Communication Technologyの略。情報通信技術のこと)を専門に手がける企業もあり、昨今、IT業界の中で成長領域として注目されています。 センサーやドローン、ロボットによって作業の自動化を行うRPA(Robotic Process Automationの略)など、専門性の高い技術を活用し、新たなサービスを提供する企業がこれに当てはまります。 ■IT業界と通信業界の違い IT業界は、「ITにかかわる業種全般」を指しているため、IT関連の事業・サービスを手がけている幅広い企業がこれに含まれます。通信業界は「通信環境に必要なインフラ基盤を提供する業界」とされる傾向があり、ITにかかわる業種です。 そのため、IT業界の中に、通信業界が含まれると考えてよいでしょう。