冬のボーナスは「3ヶ月分」のはずなのに、金額がかなり少ない気がします。税金が多いのでしょうか?
冬のボーナス(賞与)は「3ヶ月分」と聞いていたのに、ボーナスが期待していたよりも少ないと感じる場合、その要因にはさまざまなことが考えられます。どのような要因があるか、解説していきます。
ボーナス「×ヶ月分」は基本給が基準
毎月支給される給与には基本給の他に、残業手当や通勤手当、家族手当、資格手当といったさまざまな手当も含まれていることがあります。一方で、通常ボーナスについて「給与の×ヶ月分」という場合、このときの「給与」とは給与の総支給額ではなく、基本給を基準としています。 もし、月の給与の総支給額が30万円であっても、その内訳が「基本給20万円と残業手当や通勤手当など総額10万円」だった場合、ボーナスは「総支給額30万円の3ヶ月分」である90万円ではなく、「基本給20万円の3ヶ月分」で、60万円となります。 毎月もらっている総支給額の数ヶ月分のボーナスを期待していると、実際の支給額はそれに比べてかなり少なく感じられるでしょう。
額面金額と手取り額は違う
「ボーナスが期待していたより少ない」と感じる場合、額面金額ではなく手取り額を見たからかもしれません。 給与と同じく、ボーナスからも厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料(40歳以上64歳以下)といった社会保険料や、雇用保険料と所得税が控除されます。それぞれ控除される金額は、表1の計算式で求められます。 表1
※1:厚生年金保険料、雇用保険料の保険料率は、日本年金機構「令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)」および厚生労働省「令和5年度雇用保険料率のご案内」より ※2:健康保険料率、介護保険料率は加入中の保険組合や勤務地によって異なります ※3:国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和 5 年分)」に当てはめて決定します ボーナスから控除される社会保険料や所得税の総額は、額面のおおよそ2割から3割程度になる、と考えておくとよいかもしれません。 例えば、基本給20万円の人がボーナスに「基本給の3ヶ月分」として60万円を期待していると、額面の2割となる12万円が控除された場合、手取り額は48万円です。これを額面の数字と比較した際に「手取り額が少ない」と感じてしまうでしょう。